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米Google「秋の大掃除」Google DesktopやSidewikiなど10サービスの終了を発表

米Googleは2011年9月2日、数ヶ月内に終了する10サービスを公式ブログで発表した。同社ラリー・ペイジ氏が7月の収支報告の際に説明した通り、リソースをより重要なプロダクトに集中するため。プロダクトを整理することでユーザーの全体的なGoogleのエクスペリエンスを改善する意味合いもある。

終了するサービスは次の通り。

  • Aardvark:2010年に買収したスタートアップ企業でソーシャル検索のサービスを提供。ユーザー同士で質問・回答が行えるような仕組みもあった。Aardvarkは9月末で終了。今後はGoogle+に引き継がれるものと考えられる。
  • Google Desktop:PCのローカルに保存されたファイルをキーワード検索できるGoogleデスクトップも終了する。Googleによると、データの保存がローカルからクラウドに移行したこと、OS標準機能で検索が統合されるようになったこと(Windows 7やMac OS X はいずれも同機能を有する)、ユーザーがオンライン/オフラインを意識せずに瞬時に情報にアクセスできるようになったことから、役目が終わったという。9月14日を持って関連するAPIやサービス、プラグインなどの提供を終了する。
  • Fast Flip:オンラインメディアのニュース記事を新聞や雑誌のようにキャプチャして並べて表示し、閲覧を高速化するインターフェース。過去2年間、パブリッシャーと協力して運営してきた。Fast Flipで得た技術はほかのサービスで活用を模索する。
  • Google Maps API for Flash:Google MapsをFlashアプリに埋め込むためのActionScript API。今後はJavaScript Maps API v3に。
  • Google Pack:Google提供アプリケーションをはじめ、セキュリティソフトや動画再生ソフトなどのアプリケーションソフトを一括で入手・管理出来るサービス。近年、ウェブアプリの台頭によりダウンロードソフトへの需要が減少したため、終了を決定。
  • Google Web Security:2007年に買収した米Postiniのセキュリティ製品。セキュリティ機能を直接、Googleプロダクトに統合できたことから役割が終了。
  • Image Labeler:画像にラベルを貼り付けるオンラインゲーム。
  • Google Notebook:ウェブ上の情報を閲覧、コピー、整理して、どこからでもアクセスできるサービス。サービスは終了となるが、保存されているデータはGoogle Docsに移行される。
  • Google Sidewiki:サイドウィキはウェブ上のあらゆるページについてコメントを表示、投稿、共有できるブラウザのサイドバー。表示しているページに他のユーザーが作成したサイドウィキ エントリを表示できるようになる。(FacebookやTwitterに代表されるように)ソーシャルな機能が多数登場してきたことから、終了を決定。今後はGoogle+などに注力していく。
  • Google Subscribed Links:特定の検索クエリに対して、パブリッシャーが用意したリンクを検索結果に埋め込むことができる。ユーザーはディレクトリから好きなリンクを購読することで、そのサイトの情報を見つけやすくなるという仕組み。9月15日でサービス終了。

It is easy to focus on things we do that are speculative (e.g., driverless cars) but we spend the vast majority of our resources on the core products. We may have a few small speculative projects happening at any given time, but we’re very careful stewards of shareholder money -- we’re not betting the farm on this stuff. [Larry Page]

A fall spring-clean

http://googleblog.blogspot.com/2011/09/fall-spring-clean.html

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個人的に一番困るのは、Googleデスクトップ検索でしょうか。まだまだローカルに多数のファイルを保存しているわけで、デスクトップ検索使って探し出せる前提でフォルダ分けしているのでなくなるのは困ります。

Google Sidewikiは利用している人を周りで一人も見たことありませんでしたし、単純に誰も使わなかった(もちろん、FacebookやTwitterなどの登場により存在意義自体が薄くなっているという背景もあるのでしょうが)。Subscribed Linksが上手くいかないのは、「ユーザーは検索結果を自分で作りたいわけではない」からだと思うのです。過去にこの手のもので成功したものはありません。

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