米Googleは2012年6月7日、スマートフォン最適化サイトをGoogleに認識させるための推奨事項をシアトルで開催中のSMX Advanced 2012で発表した。同発表内容は公式ブログおよび開発者向けサイトにも掲載されている。」
要約すると、Googleは次の3つの設定方法を紹介した。
- レスポンシブウェブデザイン(Responsive web design)
あらゆるデバイスに対し、同じURL、同じコンテンツを返す。画面描画(レンダリング)をCSSメディアクエリを使って制御する。 - ダイナミックサービング
デスクトップ向けとモバイル向けを同じURLで管理するが、デバイスに応じて異なるHTMLを返す。HTTPヘッダーを変更する - デスクトップサイトとモバイルサイトを別個運用
デスクトップ向けURLとモバイル向けURLが異なる場合。例えばwww.example.com と m.example.com のようなケース。 rel="alternate"と rel="canonical"を使った新しいアノテーションで関係性をGoogleに伝達する。
レスポンシブウェブデザイン
レスポンシブウェブデザインはすべてのデバイスに同じHTMLコードを返し、CSSメディアクエリを使って描画を指定する。ウェブマスターは、すべてのGooglebot(Googlebot & Googlebot-Mobile) がCSS、javascript、imagesなどのページアセットへアクセスするのを許可することで、Googleのアルゴリズムが自動的に(モバイル向けサイトがあることを)検出する。※ Googlebot-Mobileをブロックしたり、Googlebot-MobileにPC向けを見せるなどの設定は行ってはならない
例えば、スマートフォン向けのCSSメディアクエリは、@media only screen and (max-width: 640px) {...}などと記述する。
この例では max-width value が640となっているが、必要要件ではない。スマートフォン向けのスクリーンサイズとして妥当なサイズのものをGoogleアルゴリズムがチェックする。
なお、レスポンシブウェブデザインはあくまで推奨方法の1つなので、ビジネスやサイトの要件に応じてほかの選択肢(2,3)を選んでよい。
Googleとしてレスポンシブウェブデザインを推奨するのは、[1] 1つのURLでコンテンツを管理することにより、ユーザーは他のユーザーとシェアしたり紹介する、やりとりするなどのインタラクトが容易になる。また、Googleアルゴリズムがおのおののコンテンツ(=URL)にインデックスプロパティを割り当てる助けにもなる。[2] リダイレクトが不要、つまりユーザーエクスペリエンスの低下を引き起こす恐れもない。[3] Googleクローラやサイトのリソース節約になる。コンテンツを引き出すのに異なるUser-Agentが必要だとその回数分だけクロールの回数も増えてしまうからだ。
最後に繰り返しになるが、css や javascript、images など各種ページアセットへのクローラブロックを行わないこと。SEOのためにこれらのアセットへのアクセス拒否を設定しているケースがあるが、デスクトップ向け、モバイル向けサイトをGoogleが認識して適切な処理をするためにアクセスする必要がある。
ダイナミックサービング
[編集中です 日本時間7日のうちに追記します]
モバイル向けとデスクトップ向けのURLを分ける
デスクトップ向けサイトとモバイル向けサイトが別URLのケース。例えばデスクトップ向けが www.example.com、モバイル向けが m.example.com のような場合。
この場合、Googleは両者の関係性を把握するために、本日発表した新しいアノテーションの実装を勧めている。
デスクトップ向けページには<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="http://m.example.com/page-1">、該当するモバイル向けページには<link rel="canonical" href="http://www.example.com/page-1" >を付与する。
rel=canonical でデスクトップ - モバイルのサイト対応構造をGoogleに伝達するという点に変わりないが、デスクトップ向けに rel=alternate で指定するのが新しいところ。双方向のアノテーションにより、Googleはコンテンツを発見して、デスクトップとモバイルページの関係を理解できるようになる。また、(異なる2つのURLについて)エンティティを1つにまとめてくれる。もしアノテーションを付与しないとエンティティが2つに分かれてしまうので相対的に順位が低くなってしまうこともある。
Building Smartphone-Optimized Websites
https://developers.google.com/webmasters/smartphone-sites/details
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スマートフォン向けの(検索エンジン向け)最適化については、一部の代理店や制作会社が、嘘をついて営業している事例が報告されています。発注する立場の方はご注意下さい。論理的に考えればその説明がデタラメであることはわかるはずなのですが。