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Googleは新gTLDを従来のgTLD(comやnet)と同等に扱う

gTLDの自由化により、「.watch」「.tokyo」「.guitars」「.pink」「.red」といった新gTLDが次々と誕生しているが、Google はこうした gTLD を検索システムの中でどのように扱うのだろうか。

Good point - we should update that article. In addition to those, we currently treat the new TLDs as gTLDs, even if they sound like they may be region-specific (eg .berlin). If, over time, our analysis shows that they're clearly limited to only websites from those regions, that might be worth reconsidering. In the meantime, you should be able to set geotargeting manually for these TLDs. Cheers John [John Muller, Google, "generic" ccTLDs list update, May 6, 2014, Google Product Forum]

gTLD や ccTLD というドメインの差異が検索エンジンとどのような観点で関係するかという知識は、特に複数国・複数言語のウェブサイトを運用管理する企業のウェブ担当者にとって重要である。Google は1つ1つのウェブページがどの言語・地域に所属するものかを判断して(Regional relevancy)、どの国・言語の検索結果に当該ウェブページを掲載するかを決定する(hreflangも組み合わせるとなお良いが、IPアドレス(サーバ所在地)は関係ない)。

例えば、www.example.fi とフィンランドのドメインを取得した場合、Google はそのサイトを(.fi というccTLD から)フィンランド向けのサイトと判断して、google.fi(Googleフィンランド)の検索結果には掲載するが、google.co.jp(同日本)やgoogle.my(同マレーシア)などの特定国向けGoogleの検索結果には原則表示しない。だから日本向けのビジネスを展開する企業であれば当然想定しているはずである google.co.jp の自然検索結果に掲載したいのであれば、日本を表す ccTLD である .jp や .co.jp を選択するか、あるいは国・言語制限を受けない gTLD (.comや.net など)を選択するのが理にかなっている。

さて、新gTLD は大きく分けて、誰でも登録申請できるオープンTLDと、登録に一定の条件があるコミュニティTLDの2種類が存在する。オープンTLDは、.tokyo や.みんな、.agency、.marketing などが挙げられる。一方のコミュニティTLDとは、例えば .berlin(ベルリン在住者).天主教(ローマ・カトリック教会)、.nyc(ニューヨーク在住者等)といったものがある。

Google社員の John Muller氏によると、現状 Google は新gTLD は全て、.com や .net、.org など従来の gTLD と同等に扱うと説明した。取得時に制限がある新gTLD(例えば .berlin)であっても通常のgTLD と同じとみなすという。ただし今後、特定地域のウェブサイトに利用が明確に制限されているとの裏付けが取れれば、再考も検討するとのことだ。

新gTLD は gTLD と同じ扱いのため、Googleウェブマスターツールから特定地域を割り当てることも可能。

検索結果への掲載については上記の通りだが、検索ランキングへの影響については先日の記事「「.みんな」「.bike」「.coffee」などの新gTLDはSEOに有利ですか?」で指摘した通り。上記の話にも共通するが、Google はドメインの定義ではなく、ウェブでの利用実態にあわせて扱いを決定する。

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昔、お行儀の悪い某レジストラが「.mobi はモバイルサイトと認識されるから、モバイルSEOに有利です」なんて営業していましたが、それと問題は同じです。ドメインの定義などGoogleが知ったことじゃないんです。実態がどうなっているか、で決まります。

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