Google は2019年4月18日、欧州経済領域(EEA)のAndroidユーザー向けに、端末で利用する検索アプリとブラウザアプリを選択・ダウンロードするための画面を今後数週間のうちに提供すると公式ブログで発表した。
Google が Android採用端末メーカーに Google検索アプリとChromeブラウザのプリインストールバンドルを強要していることが EU競争法に違反するとして、欧州委員会が昨年、Google に巨額の制裁金を科したことを受けてのもの。Google は昨年10月、Googleモバイルアプリスイートの有料ライセンスの導入や Chromeブラウザと検索アプリのライセンスを分離するなどの方針を発表していた。
同社によると、新しい選択スクリーンは検索アプリ選択画面とブラウザアプリ選択画面の2つが用意される。検索エンジンは標準の Google Search 以外に Qwant*1、DuckDuckGo*2、Ecosia Browser、Seznam.cz*3 が自由にダウンロードできるようになっている。一方、ブラウザ選択画面は、Firefox、Microsoft Edge、Opera Browser、Puffin Web Browser が選択できる。
選択できるアプリは人気度に応じて自動的に同選択画面に含まれる。表示順序はランダムとのことだ。ユーザーはこの画面に表示されるアプリをいくつでも好きなだけインストールできる。検索アプリを選択した場合は、さらに標準検索アプリに指定するための案内も画面下部に表示される。
選択画面を表示することにより、各国の検索エンジン利用シェアにどのような影響が出るのか気になるところだが、一足先に同様の仕組みが導入されたロシアでは、1年で Yandex のモバイル検索シェアが回復している。PC検索全盛時代の検索シェアが80%超だったフランスやドイツ、スペインはともかく、チェコ(Seznam.cz)などはシェアが変化する可能性もある。
*1 Qwant フランス拠点の検索エンジン、プライバシー重視
*2 DuckDuckGo プライバシー重視を掲げる検索エンジン
*3 Seznam.cz チェコ大手の検索エンジン
Presenting search app and browser options to Android users in Europe
Complying with the EC’s Android decision
https://www.blog.google/around-the-globe/google-europe/complying-ecs-android-decision/