JavaScript、画像を主に用いたWebページ、Macromedia Flash を用いた多彩な演出、フレーム、ショップや大量の情報提供を主とするWebサイトで用いられる動的ページ。これらの要素は検索エンジンランキングに悪影響を与える場合があります。何が検索エンジン対策にマイナス効果を与えるのかを把握しておきましょう。
検索エンジンの掲載順位決定にマイナスの影響を与えうる要素を挙げていきます。
JavaScript
Webサイトの多くはWebのインタラクティブ性を高める為にナビゲーションメニューに JavaScript を用いているケースがあります。しかし検索エンジンクローラーは JavaScript で記述された内容を読み取る事ができません。もし他のページへのリンクが JavaScript で記述されている場合はクローラーはリンク先ページをインデックスできない恐れがあります。
以前はクローラーは JavaScript で記述されているリンクはどのような場合でもインデックスしませんでした。しかし最近は JavaScript で記述している場合でも記述が単純な構造の場合、あるいは <a href=""> </a> と記述されている場合はクローラーは読み込みを行っているようです。しかし全ての場合で必ずリンク先をクロールしているわけではないようです。
また、ブラウザ識別やフォーム入力やマウスオーバー時のエフェクト処理などを制御するJavaScript は通常
〜 タグ内に置かれる事が多いのですが、これはテキスト情報が出てくる<body>タグの出現位置を押し下げてしまいます。クローラーは各ファイルのできるだけ先頭行に <body> タグ及びテキスト情報が配置されていることを好むため、<body>の開始行を押し下げてしまうことは時としてマイナス影響を与えます。画像
Webデザインを整えビジュアル要素を強化する為に多くの画像が使われます。特に化粧品やファッションなどユーザーに与えるイメージが大切なWebサイトでは非常に多くの画像が用いられます。しかしクローラーが読み取り収集可能な文字情報はテキストで記述されたものであり、画像そのもの及び画像上に記述された文字列を読み取る事はできません。
従って、Webページの大部分を画像によって作成している場合クローラーがそのページを読み込んでもページ内の重要なキーワードはもちろん、そのページ自体が何について記述されているのかを推定する判断材料すら取得できない為、ページ評価が大きく下がってしまいます。
Macromedia Flash
クローラーが読みとることができる情報はテキスト文字のみであり、Macromedia Flash の内容を読むことはできません。インタラクティブ性を高める為に Flash を利用したり、メインページに入る前の Splash ページに Flash を利用しているサイトは少なくありませんが、クローラーはこれらに含まれる情報を全く評価しません。
ウェブサイト制作会社のサイトには、サイト全体を Flash で作成しているサイトが少なくありませんが、これはSEOの観点から見れば最悪のWebデザインでありクローラーには全く評価されません。
動的ページ
動的ページとは、asp や php、jsp 等の技術を利用して、ユーザーからのアクセス要求があった時にデータベース情報から情報を抽出してウェブページに表示する仕組みをとっています。ショッピングサイトや会員制のサイト、就職・転職やアルバイトなど膨大な情報データベース自体がコンテンツとなっているWebサイト、複数言語をサポートするWebサイトでよく利用されています。
動的ページのURLは次のように & や ? 等のパラメーターがついていますので URL を見ることでそれが動的ページ、または静的ページ(.html や .htm 等)のどちらであるかを見分ける事ができます。
../input_product.php3?GoodsCode=000424&USE=ie
クローラーは多くの場合、動的ページをインデックスしません。理由は先にのべたように動的ページには複数パラメーターがついているものの、このパラメーター自体は異なる ページであっても表示されるコンテンツの大部分は同じである場合が多いのです。もしクローラーが個々の動的に生成されたページの URL を巡回していくと大部分は同じコンテンツにも関わらず URL パラメーターだけが異なる数千ものページをインデックスしなければならなくなります(これをクローラートラップといいます)。この場合、小規模サイトであっても動的ページで生成されているサイトはクローラーから見れば非常に大規模なサイトになってしまいます。
クローラーは基本的にコンテンツがほとんど同じページを大量にインデックスすることを好みません。このため、検索エンジン会社側が最初から動的ページは巡回しないようにしています。
ただし、動的ページは全てインデックスされないわけではありません。最近は検索エンジン側も動的ページをインデックスする傾向があります。一般的にパラメーターの数が少ない URL は登録されているようです(パラメーターが少なくても登録されない事もあります)。どのようなタイプの動的ページが登録され、どのようなタイプのものが登録されないのかのルールは明確になっていないのが現状です。
フレーム
フレームとは、フレームセットを定義したファイルを元に1つのぺージを複数のウィンドウに分割して表示しているサイトです。クローラーはこのフレームを非常に嫌います。理由は、通常のウェブページは1URLにつき1つのファイルしか存在しないのに対して、フレームは複数のファイルで1つのページを構成していますがクローラーは複数のファイルを1つのウェブとしてうまく認識できません。最近はフレームを構成する個々のページの内容を読みとった上でフレームセットを定義するファイルの内容を判断するように改良されてきているものの不完全です。
例えばあるキーワードで検索を行った際にフレームを構成する複数のファイルの中の1ファイルだけが検索でヒットする事があります。この場合フレーム全体読み込まれないため、もしサイトがメニュー部分とコンテンツ部分の2つにわかれていてユーザーが検索エンジン経由でコンテンツ部分のページだけを開いたらウェブサイト内を移動することができません。逆にメニュー部分のファイルだけを開いてしまってもコンテンツが表示されなくなります。
このように SEO の観点からいえばフレームは全く不向きです。
なお、補足としてユーザビリティーという観点から述べてもやはりフレームは不向きです。フレームはどのコンテンツを開いていても常にブラウザのアドレスバーのURLは同一です。従って、ユーザーがサイト内のあるページをお気に入り(ブックマーク)に登録しようとしてもその特定のページが表示されているURLは登録されないため、ユーザーは後日同じページへ戻ってくることはできません。この意味でもフレームは使わない方が賢明です。