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AIコンテンツを巡る報道とGoogleの見解まとめ

概要

2022年末よりChatGPTのAIに注目が集まっているなか、BankrateやCNET、CreditCards.comといった複数の消費者向け金融メディアにおいてAIが作成したコンテンツを一般公開していることが判明した。この取り組みに対してネットでは批判が集まっている。

ここでは2023年1月時点の情報を簡単にまとめつつ、GoogleのAIコンテンツに対する見解を整理する。

BankrateのAIコンテンツ

Bankrateも後述するCNET、CreditCards.comも同じ Red Ventures。

該当記事は著者欄および文末に"This article was generated using automation technology and thoroughly edited and fact-checked by an editor on our editorial staff."(この記事は、自動化技術によって作成され、編集スタッフの編集によって徹底的に事実確認されたものです。) と明記している。

BankrateがAIコンテンツを活用する理由は、CNETの項を参照。

 

最初に指摘したTony Hill氏のツイート

https://twitter.com/tonythill/status/1612860930085294080?s=20&t=rVmZG4_BHcCKhKavcY-ncA
BankrateのAIが作成した記事一覧
https://www.bankrate.com/authors/bankrate/
例1) What credit score is needed to buy a car?
https://www.bankrate.com/loans/auto-loans/what-credit-score-do-you-need-to-buy-a-car/

例2) Second-chance car loans: What they are and how to get one
https://www.bankrate.com/loans/auto-loans/second-chance-auto-loans/


CNETのAIコンテンツ

CNET Money にて2022年11月以降、AIが作成した記事が70本以上掲載されていた。該当記事は著者欄に"This article was assisted by an AI engine and reviewed, fact-checked and edited by our editorial staff."(この記事は、AIエンジンによるアシストと、編集部によるレビュー、事実確認、編集を行いました。) と明記している。

Red Venturesによる買収後、CNETは購買意欲の高い検索語句で上位に表示し、アフィリエイトにより収益を得るビジネスモデルに転換している。彼らにとってコンテンツ制作を自動化できるAIはとても魅力的。なぜならコンテンツが良いかどうかは関係なく、検索上位を獲得することが重要だからだ。

今回、CNETはAIが作ったコンテンツを人間がレビューしていると説明していたが、それでも間違いが含まれていることが判明した。結果、この取り組みを停止している。記事の最終更新は2023年1月23日。

CNET Money のAI が作成した記事一覧
https://www.cnet.com/profiles/cnet%20money/

例1) Can You Buy a Gift Card With a Credit Card?
https://www.cnet.com/personal-finance/credit-cards/can-you-buy-a-gift-card-with-a-credit-card/

例2) How to Treat a Credit Card Like a Debit Card
https://www.cnet.com/profiles/cnet%20money/

 

AIにコンテンツを巡る批判の声を受けた、CNETの見解。

CNET Is Experimenting With an AI Assist. Here's Why
https://www.cnet.com/tech/cnet-is-experimenting-with-an-ai-assist-heres-why/

 

CreditCards.comのAIコンテンツ

Red Ventures が関与している他のウェブサイトを調査する過程で CreditCards.comもAIコンテンツを活用していることが判明。収益性の高い検索語句で検索上位を取るという同じビジネスモデル。

CreditCards.com の AIコンテンツ
https://www.creditcards.com/authors/creditcards-com-team/
例1) What is a credit score simulator?
https://www.creditcards.com/education/what-is-credit-score-simulator/

例2) Is 600 a good credit score?
https://www.creditcards.com/credit-management/is-600-a-good-credit-score/

 

AI生成コンテンツに対するGoogleの見解

最近のGoogle関係者の発言からAIコンテンツに関連するものを引用している。要約すると、人間かAIかという書き手の手段が問題ではなく、公開するコンテンツが検索エンジンのために作成されたのか、それとも読者の役に立つために作成されたのかが問題となる。

かつてWELQやMeryが問題になったように人間に書かせていても品質が伴わなければ意味がない。一方で、制作プロセスでAIを活用して半自動化していてもファクトチェックや内容精査が行われているのであれば問題はない。

AIが書いたから即ウェブスパムと判断されることはないので安心してほしい。一方、現在も一部の企業が大学生を組織化して大量の記事を執筆させているそうだが、人間が書いているからといって安心はできない。

以下、原文が英語のものは日本語訳を併記している。翻訳はDeepLを利用のうえ、すべて精査済み。

 

But Danny Sullivan, Google’s public search liaison, says that more sophisticated writing tools that can suggest large chunks of text shouldn’t harm a page’s ranking if used to genuinely help web surfers. “If the primary purpose of the content is for users, it shouldn’t fall afoul of our guidelines,” he says. “If it’s the best and most helpful content, then ideally we would be showing it.”

(日本語訳)しかし、米GoogleのDanny Sullivan氏(検索担当パブリックリエゾン)は、大量のテキストを提案できるより洗練されたライティングツールは、純粋にウェブサーファーを助けるために使われるなら、ページのランキングに悪影響を与えることはないはずだと述べています。「コンテンツの主目的がユーザーのためであれば、ガイドラインに抵触することはないはずだ」「最高のコンテンツ、最も役に立つコンテンツであれば、それを表示するのが理想的である」と説明しています。

[Danny Sullivan, Google Public Search Liaison, "The Future of the Web Is Marketing Copy Generated by Algorithms", WIRED APR 18, 2022, https://www.wired.com/story/ai-generated-marketing-content/]

 

We haven't said AI content is bad. We've said, pretty clearly, content written primarily for search engines rather than humans is the issue. That's what we're focused on. If someone fires up 100 humans to write content just to rank, or fires up a spinner, or a AI, same issue...

(日本語訳)AIコンテンツが悪いとは言っていません。私たちは、人間ではなく、主に検索エンジンのために書かれたコンテンツが問題であると、はっきりと言ってきました。私たちはそこに着目しています。もし誰かがランキングのためだけに100人の人間を雇ってコンテンツを書かせたり、スピナーやAIを使ったりしても、同じ問題です。
[Danny Sullivan, Google, Twitter, Nov 8 2022, https://twitter.com/dannysullivan/status/1589681355868504064]

 

We did talk about a focus on content *by people* for people in our post about improvements like the helpful content system. But the nuance is really that it's unlikely some AI content is going to feel written by people without some degree of human review:

(日本語訳)私たちは、ヘルプフルコンテンツシステムなどの改善に関する記事で、「人による人のためのコンテンツ」に焦点を当てることについてお話しました。しかし、そのニュアンスは、ある種のAIコンテンツが、ある程度の人の審査を通さずとも人間が書いたと感じられることはありえないということです。
[Danny Sullivan, Google, Twitter, Nov 8 2022, https://twitter.com/dannysullivan/status/1589681817300656131]

 

As said before when asked about AI, content created primarily for search engine rankings, however it is done, is against our guidance. If content is helpful & created for people first, that's not an issue.

(日本語訳)以前にもAIについて質問されたとき伝えましたが、主に検索エンジンのランキングのために作られたコンテンツは、それがどのようなものであっても、私たちのガイドラインに違反しています。もし、コンテンツが人の役に立つもの、人のために作られたものであれば、それは問題ではありません。
[Danny Sullivan, Google Search Liaison, Twitter, JAN 12 2023, https://twitter.com/searchliaison/status/1613462881248448512]

 

(日本語原文)このたび、検索結果の評価を改善するために、E-A-T に E(経験)を追加しました。つまり、実際に製品を使用している、実際にその場所を訪問している、誰かが経験したことを伝えているなど、コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうかも評価されます。状況によっては、そのトピックに関連して実体験をもつ人が作成したコンテンツが最も高く評価される場合もあります。
(英語原文)Now to better assess our results, E-A-T is gaining an E: experience. Does content also demonstrate that it was produced with some degree of experience, such as with actual use of a product, having actually visited a place or communicating what a person experienced? There are some situations where really what you value most is content produced by someone who has first-hand, life experience on the topic at hand.
[Google検索セントラル, 2022年12月15日、https://developers.google.com/search/blog/2022/12/google-raters-guidelines-e-e-a-t]

 

Then Sullivan references the revised E-E-A-T quality raters guidelines, saying, “For anyone who uses *any method* to generate a lot content primarily for search rankings, our core systems look at many signals to reward content clearly demonstrating E-E-A-T (experience, expertise, authoritativeness, and trustworthiness).”

(日本語訳)そしてダニー・サリバン氏(米Google検索担当パブリックリエゾン)は、改訂されたE-E-A-T品質評価者のガイドラインに言及し、「主に検索ランキングのために*あらゆる方法*で多くのコンテンツを生成する人に向けていうと、我々のコアシステムは多くのシグナルを参照し、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を明確に示すコンテンツに報いている。」と述べています。

[Danny Sullivan, Google Search Liaison, Google search responds to BankRate, more brands using AI to write content, Search Engine Land, JAN 12 2023, https://searchengineland.com/google-search-on-using-ai-to-write-content-391728,

https://twitter.com/searchliaison/status/1613465456429633536]

 

参考:AIコンテンツ検出ツール

ChatGPTの登場にあわせて、コンテンツを作成したのがAIか人間か判定するウェブツールも次々と登場している。一方、既にこうした検出ツールをすり抜けるように細工したり、検出不可能なほど自然な文章を出力するAIツールも登場している。

ただし、現時点においてAI判定をするための信頼できる方法がないので、こうしたツールの判定結果は意味がないことに留意してほしい。

 

AI Content Detection (Content at Scale)
https://contentatscale.ai/ai-content-detector/

AI Content Detector (WRITER)
https://writer.com/ai-content-detector/

AI Content Detector (Copyleaks)
https://copyleaks.com/features/ai-content-detector

AI Text Classifier
https://platform.openai.com/ai-text-classifier

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