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Yahoo! Search、検索エンジンの品質向上のための Content Acquisition Program(CAP)を開始

米Yahoo! は 2日、同社の検索エンジン Yahoo! Search Technology の品質向上のためのプログラム『Content Acquisition Program(CAP)』を開始した。CAP は任意のURLを Yahoo! Search Technology のインデックスに登録できるサービス。非営利コンテンツ用の Public Site Match と、営利・商用コンテンツ用の Site Match の2種類のサービスが用意される。

Public Site Match は検索エンジンにはインデックスされていなかった、政府や学術機関、その他非営利団体が持つ情報を Yahoo! Search Index に登録するサービス。従来は各団体・機関のWebサイト内にある検索サービスを利用しなければアクセスできなかった文書に、Yahoo! Search から直接アクセス、検索が行えるようになる。

今回の発表にあわせて Yahoo! は米公共放送の National Public Radioのニュース、Northwestern 大学のOYEZ プロジェクト、米国議会図書館との提携が発表された。また Public Site Match には Project Gutenberg(グーテンベルグプロジェクト)やニューヨーク公共図書館も含まれている。

検索エンジンは Google が 60億、AlltheWeb が32億と数多くのファイルをインデックスするようになったものの、インターネットの世界には未だ検索エンジンでは検索できない数多くの "Invisible Web" (見えないウェブページ)が眠っている。Yahoo! はこれらの情報のうち、価値のある政府・学術機関が持つ一連の文書群に目を付けて、これらの機関に呼びかけて効率よく Yahoo! Search インデックスに追加するようにしたのだ。この提携によってインデックス数を飛躍的に増大させて Yahoo! Search を通せばこれらの豊富なコンテンツに直接アクセスできることが可能で、これ自体が Yahoo! Search の魅力を増すことになる。

一方、営利サイト向けの Site Match は任意の URL を有料登録するペイドインクルージョン。中小サイト向けの Site Match と、大規模サイト向けの Site Match Xchange の2種類が用意されている。

中小サイト向けの Site Match は、従来の Inktomi、Altavista、AlltheWeb で提供されていたペイドインクルージョンに代わる新サービス。Site Match への刷新にあわせてこれに Yahoo! Search が加わる。Site Match は審査料金とクリック課金の組み合わせ。URL を指定して登録すると、48時間ごとのクローラー巡回とインデックスへの反映が保証される。またデイリーレポートが提供され、クリック回数や検索キーワード、クリックされたURLの平均掲載順位などを閲覧することができる。

さらに Site Match では登録時にサイト審査がなされ、この審査を通ったページについてはランキングに好影響を与えることがあるという。

一方大規模サイト向けの Site Match Xchange は 1,000URL以上を登録する場合のサービス。年間登録費用はなく、カテゴリーにあわせて設定される金額によるクリック課金のみだ。

Yahoo! Search はペイドインクルージョンによる登録受け付けを開始するが、引き続き Yahoo! Search インデックスへの無料登録も行う上、 Yahoo! のクローラー "Yahoo! Slurp" による巡回とインデックスへの追加(”無料クロール”)も行われる。従って個人・非営利サイトなどもインデックスに継続掲載される。サーチトラフィックが影響を及ぼす Yahoo! Search がペイドインクルージョンを採用したことで、商用・営利サイトは確実にインデックスへの掲載・クローラーによる継続的な巡回と更新が行われる保証を得る機会を獲得できたという意味では歓迎されるだろう。

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