米Yahoo!が2009年末で主に企業向けに提供してきたペイドインクルージョン(Paid Inclusion)サービス「Search Submit」を終了することが明らかになった。
ペイドインクルージョンとは、有料で自然検索(ウェブ検索)に掲載するサービス。申し込みをすると、クローラが一定周期で指定したURLをクロールし、最新の情報をインデックスに反映する。あくまで掲載までのサポートであり、ペイドインクルージョンによって検索順位が改善されるものではない。また、検索品質ガイドラインに違反していれば同サービスを利用してもインデックスは行われない。
米Yahoo!は一般サイト向けのSearch Submit Basicと企業向けのSearch Submit Proの2つのメニューを用意。前者は年間定額制($49)だが後者はクリック課金型の料金体系(月間5000ドル以上の予算を持つ顧客向け)。特に後者はセッションIDを含む動的URLやFlash主体のコンテンツなども登録可能にしたほか、48時間毎のインデックスのリフレッシュ、タイトルと説明文の編集が可能、ディープリンクを設定可能など、自然検索枠ながら広告主にコントロールの余地を与えていた。
かつての検索エンジンはインデックス更新を1ヶ月程度ごとに行っていたほか、クローラの巡回頻度も高くなかったこと、多くの動的URLがインデックスされないなどの問題があったことから、検索エンジンへの掲載を希望する企業からの要望があった。自然検索結果の中立性を重視するGoogleは一貫して採用しなかったが、かつてのInktomi(現Yahoo! Search)やAsk.com、WebWombat、AlltheWeb、Altavistaなど1990年~2000年初頭の主要検索エンジンの多くがペイドインクルージョンのメニューを用意していた。日本でも一時期、gooがペイドインクルージョン(gooサーチサブミット)を提供した時期がある(※ 半年もたたないうちにGoogleとの提携を発表したため、同サービスは終了)。
しかし、自然検索に有料の実質広告的なURLを含むことは検索結果の信頼性を著しく損なうとの批判もあったほか、検索技術が進化したことでインデックス更新やクロール周期も短縮され、動的URLも巡回可能になってきたことから、次々とペイドインクルージョンは姿を消していった。
今回の決定について、米Yahoo!は自社の経営資源を検索エクスペリエンスの改善やエンゲージメントの強化、広告主のROI改善など中核領域に注力しており、経営判断からSearch Submitの終了を決定したと説明している。Yahoo! Search Submitは2009年末でサービス終了するが、現在利用中の広告主の移行期間として一定のリードタイムを設ける。
Yahoo To Discontinue Paid Inclusion Program
http://www.searchenginejournal.com/yahoo-to-discontinue-paid-inclusion-program/14026/
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Inktomi Search Submit の後継が Yahoo! Search Submit。コア検索技術がBingにリプレースされることが決定している以上、もはやPaid Inclusion は不要ということ。Yahoo!は検索エクスペリエンスや広告主のROI改善に注力していくというわけです。最近も広告関連の機能強化発表していましたね。