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オーバーチュア Tips - キーワードの選び方

オーバーチュアを利用する際に注意しないといけないことはキーワードの選定。これを誤ると出費ばかり多くなって売上げにつながりません。効果的なキーワードの選び方は「広すぎず、狭すぎず」。

 オーバーチュアおけるキーワードの選定についての解説です。ようやく昨年7月にオーバーチュアが進出してきましたが、まだまだ日本語で読めるオーバーチュアに関するノウハウ情報はありません。そんな訳でオーバーチュアのキーワード選定について取り上げます。

 オーバーチュア、1クリックあたりの金額を賭けることでランキングが決定する pay per click (PPC) - 広告型検索エンジンです。高い金額をかければ1位を獲得できますが、それだけ1クリックあたりの費用も大きくなるため、設定金額によってはあっという間に多くの費用を必要とします。例えば200円で1位を確保していたとしても、1,000回クリックされれば20万円です。人気キーワードで1位を確保するのに500円かかっていたら、100クリックで5万円、1,000クリックで50万円です。

 1クリックあたりの単価が高くても、それによって多くのトラフィックを誘導でき同時にその広告費を補える程の売上げを伸ばすことができれば(つまり、コンバージョン率が上がれば)全く問題はありません。しかし実際には、クリックが多くて広告費があっという間に尽きてしまう割には売上げに結びつかないというケースが少なくありません。(広告代理店に任せておけばいいと安易に考えるかもしれませんが、オーバーチュアを取り扱う日本の広告代理店はそれほど高度なノウハウを持っているわけではありません。もしかしたら企業担当者の方よりも運用がへたくそな担当者があなたのオーバーチュアアカウントを運用しているかもしれないのです。)

 この理由の1つとして、キーワードの選定方法に問題があります。あまり一般的なキーワードを設定すると、それだけ検索される回数も多くなりますが同時に「ターゲットユーザーではない」ユーザーによるクリックも増えてしまいます。逆にあまり特定すぎるキーワードを選定すると、そのキーワードで誰も検索しないために広告費はあまりでませんがクリックされることもなく全く無駄に終わってしまいます。ターゲットユーザーに焦点を絞り込んだキーワードだと、アクセスも増えると同時に成約率も上げることができるわけです。

 具体的に説明をします。例えば、日本語=>英語の翻訳サービスを提供しているサイトがあったとします。このWebサイトがオーバーチュアを利用する場合どういったキーワードを利用するといいのでしょうか。

 まず「翻訳」というキーワードで設定した場合。この場合キーワード「翻訳」の言葉がカバーする範囲が広すぎてしまい、広告費の割には売上げは伸びません。なぜなら「翻訳」というキーワードでは「フランス語=>英語」や「ロシア語=>スペイン語」「ドイツ語=>日本語」といった、「翻訳」サービスを求めているがこの会社が求めている「ターゲットユーザーではない層」も引っかかってしまうためです。

 では今度は「日本語から英語の翻訳」というキーワードにしたとしましょう。今度は特定しすぎてしまい、「日本語から英語の翻訳」というキーフレーズを利用するユーザーの絶対数が少なすぎてやはり契約には結びつきません。あるキーワードで1位に表示されていても、そのキーワードを実際にユーザーが検索サイトで利用しなければ何の意味もないのです。

 この翻訳サイトの場合、「英語 翻訳」というキーワードを設定すれば、「英語へ」の「翻訳」サービスを探しているユーザー、つまりこのサイトから見た「ターゲットユーザー」へのアプローチを適切に行うことができますので、適切なアクセス誘導、高い成約率を見込むことができるのです。

(2002/02/22 執筆 / 2003/09/19 改訂 / 渡辺隆広)

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