2008年7月、Google AdWords のシステム変更により、これまで別々に設定せざるを得なかったキーワードと、プレースメントを同じ広告グループで管理できるようになり、かつプレースメントターゲットとコンテンツターゲットの機能を併用できるようになった。
これまでのコンテンツターゲットやプレースメントターゲットは、検索連動型広告に比べ、ユーザーのターゲティングが甘く、成果の指標はどれだけリーチを広げられるかといった、ブランディング要素の強い広告として利用されていたのではないだろうか。
中でも、コンテンツターゲットに関しては、配信されるサイトを管理者側で選定することができないため、配信先レポートで意図しないサイトを見つけては、除外サイトとして設定するなど、時間を掛けてサイト選定を行い、広告の効率化を進めてきた。
また、成果の良いサイトを見つけては、プレースメントターゲットへ切り替え、特定のサイトへの広告配信を図っていたが、プレースメントターゲットとしてサイト設定を行うと、おおよそがドメインレベルでのサイト指定になるため、コンテンツの内容やユーザーの意図とは沿わない、広告として配信されてしまうといったジレンマがあった。
このジレンマが、この度のキャンペーン構造の変更により軽減されることが考えられる。
プレースメントで選定したサイト内で、かつ登録したキーワード群から意図されるコンテンツに広告が配信されることにより、これまで以上に広告主のサービスにマッチした意図を持つユーザーをターゲティング可能になるのではないだろうか。
また、最小入札価格のないコンテンツターゲットは、キーワードターゲットに比べ、低い CPC で運用が可能なため、プレースメントターゲットとの併用により、広告の対象ユーザーをしっかりと絞り込むことで費用対効果の向上を図ることができると考えられる。
そして、ユーザーの意図やコンテンツの内容にマッチした広告を配信することで、クリック率の向上が実現可能となり、品質スコアを重視する Google AdWords 広告においては、CPC の低下、すなわちコスト削減が期待できると言える。
日々、変化する情報をしっかりとキャッチし、いかにして広告運用へ活かすことができるかが、広告活動を成功へ導くカギとなる。
執筆:株式会社アイレップ インターネットマーケティング事業部 リスティングサービスグループ 山口百子