米FindWhat.com も日本市場参入を表明するなど活気を帯びてきた日本のPPC市場。「そろそろPPCなるものをやってみようか」と考え始めた企業の方もいらっしゃることでしょう。一方で、新しいタイプの広告であり仕組みがよくわからない、どうやって使えばいいのかわからない方も多いでしょう。そんなわけで、今日はオーバーチュアとアドワーズ広告について、それぞれの仕組みを説明していきましょう。
PPC 広告、オーバーチュアとアドワーズ広告の基本的な事項について説明します。
オーバーチュア / アドワーズ 概略
オーバーチュアやアドワーズ広告は、「広告型検索サービス」あるいは「PPC」（Pay Per Click)と呼ばれる、検索サービスと連携したネット広告です。検索エンジンの検索結果画面上の特定枠内（画面上部に設置されている枠。場所はサイトによって異なります）に、Webサイトの広告を表示する事ができます。
従来、Yahoo!JAPAN や infoseek の検索結果に広告を出そうものなら月何十万、何百万もの広告料金を支払わなければならかなったのですが、これら２つのサービスは「１クリック○○円」という安価な料金でこれら大手ポータルサイトに広告を掲載できます。オーバーチュアを利用すれば、Google, Yahoo!JAPAN, BIGLOBE, Excite, @nifty, Alladin の検索サービス上に広告を表示する事ができます（2003/10/05現在）し、オーバーチュアであれば Yahoo!JAPAN、infoseek、goo、MSN、NIKKEI.NET に掲載できます（同）。これら主要ポータルサイトに１クリック○○円の料金から広告を出稿できるのですから広告主からの支持を集めたわけです。
広告が表示される仕組みは次の通りです。検索エンジンで入力されたキーワードに連動して広告を表示する事ができます。例えば、ユーザーが Yahoo!JAPAN で「自動車保険 見積もり」というキーワードで検索を行ったときに、検索結果画面に自動車保険を販売する企業の広告が表示させることができます。
ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードというのは通常、そのユーザーが興味・関心のある事項を言葉にして表したものです。例えば最近の infoseek が発表しているキーワードランキングを見ると、「加藤あい」や「小倉優子」（それぞれ、infoseek の「女性有名人ランキング」2003年10月第１週より）といったキーワードが上位に表示されます。これは多くのユーザーが彼女たちに関する情報（や写真や動画など）を探している - つまり興味があることを示していますね。あるいはスポーツキーワードランキングを見ると今年プロ野球セリーグで優勝した「阪神タイガース」というキーワードが上位に来ています。これもみんなが阪神に興味・関心があることを示しています。つまり、「いま当に興味・関心のある情報」に関連する広告を直接ユーザーに見せる事によって、非常に質の高い見込み客（＝商品やサービスを購入してくれる確率の高い顧客）をWebサイトに誘導することができる、これがオーバーチュアやアドワーズ広告の特徴です。
広告料金は、１クリックあたりいくら、という料金設定を行います。そして、実際にクリックされた回数だけ支払えばよいシステムです。「広告が何回表示されたからいくら」ではなくて「実際にユーザーがクリックした回数」だけのお支払いです。例えば「化粧品」というキーワードが入力された時に広告が表示されるように設定して、1クリックあたり５０円を支払うとしましょう。しばらく広告を掲載した結果、１ヶ月の合計が１０００クリックだった。この場合、５０円ｘ１０００＝５０，０００ ですので、この広告主は５万円だけ支払えばよいことになります。「クリックされた分だけ支払う」というところから、オーバーチュアやアドワーズ広告は先述した PPC広告とも呼ばれます。
さて、ここまでの説明で、オーバーチュアとアドワーズ広告の大まかな仕組みは理解できたでしょうか。まとめると、「オーバーチュアとアドワーズ広告は、どちらも検索エンジン上に広告を表示できるシステム。ユーザーが入力したキーワードに関係した広告を表示するので他の広告メディアと比較して質の高い見込み客の誘導が行える。Yahoo!JAPAN ほか大手ポータルに掲載するのに広告料金はクリックされた分だけのお支払い」ということですね。
基本事項を抑えてもらったところで、次回は「広告の掲載位置と、その掲載順位の決定方法」について説明をします。
