SEO (検索エンジン最適化)と PPC (有料リスティング)。どちらも同じ検索結果画面の上位にウェブサイトを掲載できますが、この2つはキャンペーン目的、キャンペーン期間、費用対効果を考慮しながら使い分けをする事が効果的な検索エンジンマーケティングの実行のカギとなります。広告型検索エンジンの特徴はどこにあるのかを把握しておきましょう。
検索エンジンからの集客としてSEO(検索エンジン最適化)に注目が集まっていますが、「検索エンジンの上位にウェブサイトを掲載する」という意味ではSEOでなくともそれを実現できる方法があります。それが PPC(有料リスティング広告)です。
昨年より、広告型検索エンジンとして米国で大成長を遂げたオーバーチュア、そして Google アドワーズ広告が日本国内でもサービスを提供しています。これらの検索エンジンは、広告主が登録したキーワードで検索が行われた際に、1クリックあたり最も高い広告費を支払ってくれる広告主サイトから順番に検索エンジンの上位に表示するシステムを採用しています。つまり広告費によってユーザーの目にとまりやすい検索エンジンの上位の掲載位置を購入する事ができるわけです。クリックされた分だけ広告費を支払えば良いことから欧米ではペイパークリック(PPC)エンジンと呼ばれています。
SEO も PPCも、検索エンジンの上位に表示されるという意味ではどちらも変わりません。ただ、検索エンジンマーケティング (SEM) という観点からこの2つを捉えた時には使い分けをすることが必要です。その時々の実行しようとする販促プロモーションや戦略によっては、SEO を利用した方が良い場合もあれば PPC を利用した方が良い時もあります。
PPC は SEO と比較して次の点に利点があります。まず掲載を決定してから実際に表示させるまでにタイムラグがない点です。SEO は実際にウェブサイトに検索エンジン対策の仕組みを組み込んでからその効果が出るまでに2〜4ヶ月程度の時間がかかります。これは検索エンジン対策を行ってからスパイダーが訪れてそれをインデックスに登録・反映させるまでの時間を考慮しなければならないからです。一方アドワーズ広告やオーバーチュアを利用するのであれば申し込み即日(アドワーズ)または2〜5営業日(オーバーチュア。ただし実際には2週間程度かかることもある)の時間で広告を開始する事が可能です。バレンタインデーやクリスマスなど短期間のプロモーションであれば PPC を利用した方がいいと言われるのはこうした違いがあるからです。
第2に PPC は様々なキーワードを試す事が可能です。PPC は登録したキーワードを常に変更できる(アドワーズ広告)または変更申請をしてから2〜3日で広告に反映される(オーバーチュア)ことです。従って、検索回数は多いがクリック率の低いキーワード(または広告)、クリック率が高く集客には効果あるが会員登録には結びつかないキーワードの変更や削除が容易であり、潜在顧客にアピールできるかどうかを試験する目的でのキーワード登録が行えるという点です。同じ事をSEOでやろうとすれば先のスパイダー巡回〜インデックス反映までの時間を考慮しなければいけなくなり実行する事は現実的ではありません。
第3に広告費用です。PPC は先ほど説明した通りクリックされた分だけの課金、ペイパークリック型ですが、これはいいかえれば検索回数の多い人気キーワードは非常に費用がかかるという事です。SEOであれば何回クリックされても広告費が上昇するわけではありません。また広告型検索エンジンは投じる金額をストップすればそこで広告は停止しますがSEOは適切な検索エンジン対策をウェブサイトに組み込むことで恒常的なアクセスを獲得することができます。
SEO は導入前の段階で適切な実行計画とキーワード選定を行った上で検索エンジン対策を行う事で、長期に渡って安定したポジショニングを確保できますし PPC のように競合他社の応札で掲載位置が常に不安定に脅かされる事もありません。長いスパンで見ていけば PPC よりも遥かに安く済むマーケティング展開を行えます。通常の(広告枠でない)検索結果上に掲載されますので長期に渡った集客を継続できるからです。また既存のウェブサイトに検索エンジン最適化の機構を組み込みますのでウェブサイト構築に対する投資対効果も最大化できます。
検索エンジン経由の集客を実行するにあたりその目的を明確化した上で、どちらがより適切であるかを考える事が大切です。