アクセスポートとGMOが共同で日本語ドメインの活性化に取り組む。強制的にインストールの可否を尋ねてインストール数を増加してきた JWord を活用する。
一挙に1320万人が日本語ドメインを利用可能に [日経コンピュータ]
アクセスポートが提供している日本語キーワード・サービス「JWord」は現在、1320万人のユーザーが利用している。このJWordのプラグインに、GMOとアクセスポートが共同で日本語ドメイン利用機能を組み込む。
JWord そのものの是非については以前の記事でさんざん書いていますが(参照記事:JWord の利用価値は? )、ユーザーが JWord という商品を認識していなければ JWord の主サービスであるキーワードアクセスやそれに付随する付加価値(日本語ドメイン対応)も使ってもらえないと思いますけどね。商品やサービスは消費されなければ意味がない、今のように特定ページにアクセスするなりインストールを強要するような方法をとっている限りインストールベースは増えても利用ユーザー数の増加は困難でしょう。
もう1つ。日経コンピュータの記事で例として取り上げられている「日本経済新聞.jp」ですが、これに限らず多くの日本語ドメインは「○○○.jp」や「○○○.co.jp」になるのでしょうけど、JWord なら co.jp や .jp 入れなくてもアクセスできるんですよね。つまり JWord をインストールしていれば「日本経済新聞」でも「日本経済新聞.jp」どっちでも利用者が想定する目的ページにアクセスできる。
となると、GMOは
日本語ドメインはInternet Explorer(IE)では利用できないため、一般ユーザーにとってはメリットが見えにくい。この現状を打破するため、ドメイン登録サービス「お名前.com」を提供しているグローバルメディアオンライン(GMO)は1月22日、日本語ドメイン活性化のための方策を発表した。
アクセスポートにとっては「アドレスバーに日本語文字を入力させてアクセスさせる習慣」というものを広めることができるからどっちでもいいのでしょうが、GMOにとっては JWord を使って広報しようとすると同時に日本語ドメインのメリットも否定してしまいませんか?
つまり、今回の戦略によって日本語ドメインを利用可能な環境におかれるユーザーは増加するわけですが、実際にそれを使う人は JWord の機能を認識して利用している人たちでしょう。すると、いちいち .jp を入力させる日本語ドメインではなく JWord の日本語キーワードアドレスの方が便利だと感じるのではないでしょうか。
アルファベットURL に対抗する形でポジショニングされるのが JWord と日本語ドメイン。この日本語ドメインという領域においては両者は競合関係にあるのですから、いずれかの首を絞めてしまいかねないのではないでしょうか。
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検索エンジンにキーワードを入れて目的のWebにアクセスする、というパソコン上でのWebナビゲーションにおいて多くのユーザーが慣れ親しんだ手段があるのですから、この領域で代替手段である日本語ドメイン/キーワードアクセスを持ち込むのは至難の業でしょう。いっそのこと、日本語ドメインは携帯電話やPDAといったその他のデバイスでのWebナビゲーションのスタンダードを目指した方が良いのではないでしょうか。