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Google、Gmail サービスを一部変更か

プライバシーの問題で批判が巻き起こっている Google のメールサービス Gmail について、同社共同設立者 Sergey Brin が サービスの変更を検討していることが米Wall Street Journal のインタビューにて明らかになった。

同氏によると、Gmail はユーザーからのフィードバックに応じて様々な点で変更をすることになるが、テストは3ヶ月から6ヶ月続けるとしている。大きな変更を加えることはないが、プライバシー擁護派が受け入れられるような変更を加える可能性を排除しているわけではないとも話している。

Gmail サービスで問題になっているのは、メールの内容に応じて配信されるターゲティング広告。Google がメールの内容(コンテクスト)をスキャンすることから、欧米のプライバシー権利擁護団体等からプライバシーの侵害だとの批判が巻き起こっていた。

例えば欧州では、プライバシー権利擁護団体 がGmail は欧州のプライバシー法に違反するとして批判を行っていた。問題になったのはユーザーがメールを削除する、またはアカウントを解約した後でも Google がメールのコピーを保存することだ。欧州は米国のプライバシー法よりも厳しく、この方法は許容されないと主張した。

But the breakthrough comes at the price of less privacy. "Residual copies of email may remain on our systems, even after you have deleted them from your mailbox or after the termination of your account," Google's Gmail says in its privacy and terms of use sections. Google will also scan users' emails in order to paste appropriate advertising into messages. It may also link together "cookies," which contain personal information, from both email and Web use records. [UK lobby says Google mail may violate privacy laws / Reuters]

※ ちなみに米Yahoo! は「アカウント解約後は全てのメールが削除される」としている

Yahoo explicitly says it will delete any emails or other information after an account is closed.

また、米国でもカリフォルニア州の議員リズ・フィゲロアがGmailをブロックするための法案を起草していると話すなど欧州同様にプライバシーに対する懸念から多くの批判がでている。

A California state senator on Monday said she was drafting legislation to block Google Inc.'s free e-mail service "Gmail" because it would place advertising in personal messages after searching them for key words. [Calif. lawmaker moves to block Google's Gmail / Reuters]

さらに、World Privacy Forum とその他27のプライバシーおよび人権擁護団体からはプライバシー侵害に対する懸念からプライバシーの問題が適切に解決されるまで Gmail のサービスを中止するように求める公開質問状が Google に対して送りつけられている。

Google は、「メールをスキャンするのはコンピュータであり人間ではない。従来もウイルス駆除のためにコンピュータを利用してメールの内容をスキャンすることは行われているではないか」と反論していた。

受信されるメールを Google の社員が1つずつチェックして「このメールにはこの広告をくっつけよう」とやるわけでもなく、コンピュータが文章をスキャンして適当な広告割り当てるだけですから、個人的には全然気にならないんですけどね。

ちなみに Google は広告配信のオプトイン/オプトアウトも検討しているようですが、メール配信拒否されたユーザーに Gmail 使ってもらってもしょうがないでしょう。

Asked whether Google would consider requiring users to opt-in to the Gmail targeted advertising service or allowing them to opt-out, Mr. Brin said, "That idea is being batted about. We certainly wouldn't rule it out." [Google May Alter E-Mail Service Amid Concerns About Privacy / WSJ.com]

ref.

An Open Letter to Google Regarding Its Proposed Gmail Service

http://www.privacyrights.org/ar/GmailLetter.htm

World Privacy Forum とその他27のプライバシーおよび人権擁護団体より Google 社に対して送られた、Gmail に関する公開質問状。

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