米Amazon.com がサーチ戦争に参入する。同社が昨年より開発していた検索エンジン "A9" のベータ版が公開されている。http://a9.com にて利用可能。
A9 は米Amazon.com の設立した子会社で、ショッピング検索エンジン開発を目的としていました。現在公開されている A9 のベータ版は、特別ショッピングに特化したわけではなく一般的な検索エンジンです。ただし、Amazon.com の保有する経営資源をうまくミックスさせた、様々な付加価値を提供する検索エンジンにしあがっています。
A9 独自の機能を列挙します。
A9 検索結果について
検索結果は、Amazon.com の書籍データベース、Google、Alexa が随所に活用された検索結果になっています。主検索結果として Google が表示されますが、画面右側に 書籍検索結果を表示するタブと、過去の検索履歴を表示するタブが用意されています。それぞれ画面の右側に表示されますので、検索キーワードに対する "Google の検索結果"、"Amazon.com の(書籍の)検索結果"、"過去の検索履歴" の3つを同時に閲覧できます。
書籍の検索結果は、Search Inside the Book ™ を利用しているので、検索キーワードを含む書籍があった場合は該当ページの抜粋が表示されます。従って、A9 はWebページの検索結果だけでなく書籍の該当箇所中の抜粋も同時に閲覧できるという面白い機能を実現しているのです。
クリック履歴 (Click History)
A9 で検索、過去にクリックしたことのあるWebページには、次回から「以前クリックしたことがありますよ」ということを示すマークがつく。検索結果に表示されたページ毎に「10分前にクリックされました」「1日前にクリックされました」などの表示がされます。
クリック履歴はパーソナライズド検索を提供する Eurekster でも採用されています。インターネットで何か調べ物をしている時に、何度も同じページ(しかもそれは重要ではなかったりする)にアクセスしてしまう経験、あるいは、以前訪れたことがあるページを検索エンジンで一生懸命探しても見つからないなどの経験をしたことがある人がいるかもしれません。クリック履歴でそういった問題は解消できます。
Site Info の表示
検索結果の各Webページには、キャッシュのリンクとともに site info へのリンクもあります。site info をクリックすると、Alexa の保有する情報が表示されます。Alexa はインターネット上における任意のWebサイトのトラフィックランキングやページビューを表示してくれます。
検索履歴の保存・閲覧 (Search History)
A9 での過去の検索履歴を保存することができます。米Amazon.com にサインインすることにより利用できます。検索履歴の情報はすべて Amazon.com サーバに保存されるので、異なるPC を利用しても Amazon.com へのサインインにより過去の検索履歴を参照できます。過去の検索履歴(キーワード)は A9 のトップページにアクセスした時にも表示されます。
A9 ツールバーのダイアリー機能
A9 には検索ツールバーも用意されています。Google や Yahoo! から提供されている検索ツールバーと基本的に変わりませんが、Diary 機能がついています。これは訪問したWebページに、「メモ」を書き留めることができる機能です。再訪問した時にそのメモを閲覧することができます。
URL ボックスからダイレクト検索
ブラウザの URL ボックスから、ダイレクトに検索が可能です。例えば、"amazon book" というキーワードで A9 の検索をしたい時は、URL ボックスに
a9.com/amazon book
と入力すれば良いのです。同様に”検索エンジン”という言葉で検索したければ
a9.com/検索エンジン
と入力すればOK。A9 のツールバーのインストール有無にかかわらず、A9 にダイレクト検索が可能になるわけで、賢いですね > amazon
A9 ツールバーの基本機能
- ウェブサーチ:A9 での検索が利用できます。
- キーワードのハイライト表示:ページ中の検索キーワードと同一の文字列を黄色でハイライト表示します。
- 検索履歴の保存:利用したキーワードおよびクリックしたページの履歴を保存します
- ダイアリー機能:訪問したページにメモを残せる機能。ダイアリー機能の利用は A9ツールバーが必要
- Site Info 表示:Alexa にリンクされます
- ポップアップブロッカー:ポップアップウインドウを表示させません。
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