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アマゾンA9 - クリック履歴と検索履歴

アマゾンの検索エンジン A9 ですが、クリック履歴と検索履歴について。

アマゾン A9 は amazon.com で利用するアカウントでサインインすることで、Search History (検索履歴)や Click History (クリック履歴)も表示されます。

検索履歴というのは、過去に検索に利用したキーワードを表示します。24時間前、7日前などと時間軸によって検索履歴も自動的にまとめてくれます。

この機能は、ある日特定のキーワードでたまたま見つけ出したページにまた再訪問したくなった時にどのキーワードでそれを見つけたのか忘れてしまった…ということが時々ある方がいるかもしれませんが、そういう時に役に立つものなのかもしれません。個人的にはこの機能はあまり使いません。

クリック履歴というのは、検索結果に表示されたWebページそれぞれについて、過去に訪問したことがあるか否か、また訪問した(クリックした)ならそれはいつかを表示してくれる機能です。例えば次のように 7分前にクリックしたのであれば Clicked 7 minites ago と表示されますし、未訪問(クリックしてない)なら New と表示されます。

A9 7分前にクリックしたことを示す

A9 クリックしていないことを示す

このクリック履歴、どんな時に便利なのだろう…と考えてみたのですが、一般的な検索の利用シーンではこの機能のありがたみを享受できるユーザーはいないのではないか?と思います。

個人的にはこの機能は時として便利です。例えばある特定の話題について様々な文献や情報を調べようとした時(大学院の授業の関係でそういうことが多々あるのですが)、キーワードを少しずつ変えて色々と検索をすることがあります。すると、過去に訪問したページに再びたどり着いてしまうことがあります。特にこの調査を数日かけて行っていると、前日までにどのページにたどり着いていてどのページが未訪問なのかなどきれいに忘れてしまうので、そういう私にとっては「いつ訪問したことがあるか」という情報は役に立つわけです。

特定の目的を持って検索エンジンを利用して広範な情報収集を行うような場合には、未訪問か既訪問かを識別できるというのが役に立つことがあるかもしれません。

ところで、検索履歴もクリック履歴も他のツールバーやブラウザの履歴機能でわかるじゃないか、と思う方がいるかもしれません。アマゾンの場合、この履歴をアマゾンサーバに保存してくれる点が特徴です。つまり、自宅、職場、その他の場所で異なるPCを利用しているユーザーでもアマゾンにサインインすれば過去の履歴情報を共有できます。単に検索履歴、クリック履歴の機能そのものよりも、それを複数のパソコンで共有できるという点に、この A9 の良さがあるかもしれません(利用想定シーンが思い浮かばないので何とも)。

また、この検索履歴とクリック履歴は今後アマゾンが何らかのパーソナライゼーション機能をA9に搭載するための下準備という見方もできます。アマゾンはよく知られているようにユーザーの過去の購買履歴から新商品やおすすめ商品を提案するパーソナライゼーション機能を古くから Amazon.com にて提供してきました。このパーソナライゼーション機能は商品販売に限らず、検索エンジンにももちろん応用することが出来ます。過去のクリック履歴、検索キーワード履歴、その他のアマゾンが有する会員情報を結びつけていけばさらに高度なサービス・機能をA9に付加し提供することができるでしょう。アマゾンはそれを見据えているのだと思います。

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