米Microsoftは2009年12月15日、公式ブログにおいて検索サービスBingの検索履歴管理機能・Bing search historyについての同社のポリシーと新機能の説明を行った。Bingプログラムマネジャー兼Privacy ChampのSree Kamireddy氏が解説。
Bing search historyは、過去に検索したクエリを保存・記録しておく機能で、検索結果のエクスプロールペイン(Explore Pane、動的にナビゲーションメニューや検索ツールを表示する、左側のサイドバー部分)に一覧が表示される。
ユーザの検索行動を分析すると、過去に訪問した経験があるウェブページにアクセスするために検索する、再訪問クエリと呼ばれる種類の検索が少なからず存在する。米Yahoo!が行った調査では、対象とした全検索ログのおよそ40%が再訪問クエリに該当し、また、17%のユーザが「過去に訪問したことがあるページを探したが見つからなかった」という不満を抱えているということも判明している。Bingの search historyは、こうした再訪問検索を支援して、過去に訪れたページやクエリに簡単にアクセスすることを可能にするものだ。
ただし、検索履歴を保存することは個人情報のプライバシーの保護という重要な問題を抱える。Sree Kamireddy氏は、search historyの開発にあたって、ユーザのプライバシーを最大限に尊重しつつ、ユーザの検索体験を改善するための様々なテストを通じて開発を行ってきたと説明する。今回リリースされた新機能は、プライバシーの尊重、透明性、ユーザサイドによるコントロールとユーザビリティが念頭に置かれている。
第1に、検索履歴の機能を有効・無効にするボタンを設置した。この機能は、検索タブのHistroyからアクセスでき、1クリックで切り替えが可能。履歴を無効にすると、その後一切の検索履歴が保存されなくなる。
第2に、透明性を確保するために、Bingが記録している全ての検索履歴をユーザが参照できるようにした。同じく検索タブのHistoryからSee Allをクリックすると、Bingが把握しているユーザのクエリログと、クリックしたウェブページの記録が表示される。今後、ユーザのフィードバックを得ながら、より便利なものに改良していくという。
第3に、ユーザ側が制御できるように、全てのログを削除できる機能も追加した。Clear Allをクリックすると、過去の検索クエリ及び訪問したページのすべての記録を削除できる。また、任意のクエリ/閲覧ページを個別に削除することも可能だ。
現在、Bingの検索履歴は4週間分が保存されるが、ユーザの利用傾向を見ながら最適な履歴保存期間を探っていくとしている。
なお、検索履歴をクリアした場合、その情報はブラウザ画面には表示されなくなるものの、Bingサーバに記録される同社の検索ログから削除されるわけではない。これらのログは、同社の製品・サービスの品質を向上させていくための資料として利用される。もちろん匿名性は担保されており、Liveアカウントの住所や電話番号とこれらの検索ログを紐付けることはないとしている。
Bing search history: The power is yours [Bing Community]