米Microsoftは2010年3月25日、米ニューヨーク市で開催中のSESにおいて、検索エンジン・Bingの新機能を発表した。これらは数週間内から今夏にかけて順次、実装される計画。
Bingは2009年6月のリリース時から、"Decision Engine" (意思決定エンジン)というコンセプトを掲げており、検索ユーザが抱える特定の検索タスクをスピーディに効率よく、十分な情報を得て遂行できるようサポートするための各種機能を提供してきた。今回のアップデートはこれを更に推し進め、より洗練された検索体験の提供を目指す。
今後のBingのアップデート計画としてMicrosoftは3つの機能を挙げた。第1に、日常的な検索タスクをこなすために1クリックで検索結果を切り替えられる Quick Tabs (クイックタブ)の位置変更だ。
Quick Tabsとは、特定の検索キーワードが共通の意図(intent)を持つことに着目して、あらかじめ想定されるキーアクションをショートカットとして表示する機能。たとえば、"boston"(ボストン)や"seattle"(シアトル)などの地名クエリは、そのエリアへの旅行計画を立てているユーザによる検索が多いことから、あらかじめ "Weather"(天気)や "Events"(イベント)、"Hotels"(ホテル)、"Airport"(空港)など、目的別のショートカットを検索結果に表示する。ユーザは目的にあわせてこれらをクリックすることで、検索結果の情報を1クリックで整理して、意思決定を進めることができる。※
※ Bing日本版は、たとえば「イチゴ狩り」「潮干狩り」「お花見」などでキーワード検索すると、左側にクイックタブが確認できる(2010年3月29日時点)
Microsoftは当初、「検索セッションの42%はキーワードの再入力(絞込み、リファインメント)が発生しており、同セッションが長くなる原因となっている)という調査結果に基づき、これの解決策の1つとしてQuick Tabsを導入した。同社のユーザエクスペリエンス・チームマネジャー Jeff Henshaw氏は「Bingは検索ユーザにとって重要なタスクについてどんどん賢くなっており、検索UIを洗練することで、更にこれをサポートする」ために、今後数ヶ月内にQuick Tabsのインターフェースを変更する。従来、Quick Tabsは検索結果の左側に表示されていたが、検索結果の最上部(検索窓の下)にも追加して、素早く目的の情報に到達できるようにするという。
第2に、リアルタイム検索機能を強化する。Bingは米Twitterとリアルタイム性が高いデータソース "firehose"(ファイアホース)を利用する提携を結んでいるが、同データを使った検索体験の向上を図るためのテストを行う。具体的には、たとえばニューヨークタイムズを検索した時に、単に同紙公式サイトへのリンクやニュースセクションだけでなく、Twitter上で注目を集めている同紙の人気記事へのリンクも表示する。
第3に、地図検索 Bing Mapsとソーシャルジオメディア(位置情報SNS)・foursquare(フォースクエア)との連携だ。Bing Mapsと呼ばれる新しい機能とfoursquareが連携して、オンライン地図からお店や施設についてユーザが(foursquareに)書き込んだ情報をチェックインして閲覧できるようになる。旅行で初めて訪問したエリアで人気スポットを探したいときに、ユーザはBing Mapsを使って手がかりが得られるようになる。
new stuff coming from bing this spring [Bing]