米Microsoftは2010年2月5日、世界最大手のソーシャルネットワーキングサイト・Facebookとの検索及び広告に関する提携関係を拡大したことを明らかにした。契約期間は明らかにされていない。両社は2006年8月に提携合意し、MicrosoftはFacebookに2億4000万ドル出資している。
今回の提携強化により、第1にFacebookのウェブ検索機能を強化する。2009年6月にリリースされたBingが提供する数々の優れた検索機能を、Facebookから利用できるようになるという。これは数週間から数ヶ月内に進められる計画。
2点目に、Facebookは2008年4月に米国内におけるデフォルト検索エンジンをBingとしたが、これを米国外にも適用し、全世界4億人のユーザにFacebookと統合されたBingの検索サービスを提供する。
最後に、従来Microsoftが販売していたFacebook上に掲載されるディスプレイ広告の販売は中止となり、今後はFacebookが単独で行う。今後はエンゲージメント広告やユーザプロファイルと連動したターゲティング広告など、ソーシャルと結びついた広告販売に注力する。
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[解説] 4億人のユーザを抱えるFacebookにBingの検索機能を統合することで、検索利用者数を伸ばしてGoogleを追撃する足がかりとしたいマイクロソフト。しかし、SNSサイトへの検索サービス提供が検索広告収益の増加や検索シェア獲得に結びつくかは疑問の声も多い。SNSサイトのMySpaceと提携するGoogleは、3年間でMySpace.comに最低9億ドルを支払うという契約を結んでいるといわれるが、期待した利益はもたらしていないといわれている。
背景には、SNSサイトで実行される検索クエリの多くは、友人・知人などの個人的あるいは人間関係にかかわる検索や、趣味などのコミュニティに関わる検索が大半を占めており、商品購入やサービス申し込みなど、いわゆる(検索会社にとって利益になる)コマーシャルクエリが少ないという、検索の利用目的の違いが挙げられる。近年、SNSサイトの利用者数は世界的に増加しており、検索会社にとって無視できない存在にあるものの、必ずしも検索ビジネスにおいて魅力的な検索が生まれているわけではない。
Facebookがウェブ検索として利用されるかどうかは疑わしい。しかし、FacebookにBingの窓口を設けることで、若い世代を中心に多くのユーザにBingに触れる機会を作ることができるのも確か。Bingの利用増加にどのようにつなげるかはマイクロソフト次第だ。
enhanced cooperation with facebook on search [Bing Community]