2009年5月末にBingを発表したマイクロソフトですが、この新しいディシジョン・エンジンの登場により同社の広告プラットフォーム・Microsoft adCenter(マイクロソフト・アドセンター)はどのような影響を受けるのでしょうか。Microsoft Advertising CommunityにはadCenterへの影響について公式のFAQが掲載されています。
7月29日にヤフーとマイクロソフトが検索事業で提携したことで事情が少し変わってきていますので、補足説明を加えながら翻訳・解説します。
Q) Bing登場によりLive.comはどうなるのか?
A) Bingのローンチから45日後にLive.comはBing.comにリダイレクトされます(2009年8月8日現在、Live.comはBing.comに転送される)。
Q) Bing登場にあわせて、MS adCenterから配信される広告ユニットに何か変更はあるのか?
A) 現時点では、検索結果に配信する広告ユニットに変更はありません。広告主は引き続きadCenterからキーワードの設定や広告の管理を行うことができます。
# 2009年8月8日現在も、変更はありません。
Q) Bingは検索結果のプレゼンテーション方法が変わります。広告主側で何か変更しなければいけないことはありますか?
A) 広告主は引き続き、従来と同様にMS adCenterから広告の運用管理を行うことができます。新しい検索結果の表示方法が導入されますが、運用管理に影響はありません。
# Bingの検索結果になって、広告のクリックスルーが上昇したという結果報告が出ています。広告主にとっては良いことです。
Q) アルゴリズムの変更内容は?
A) 我々はアルゴリズムやスペリング機能、検索結果の新しさ、コアランキングに数多くの改善を行いました。Bingのアルゴリズムは最適な検索結果を提供するために日々変更がお粉亜wれています。大きなアップデートは半年周期で行われていますが、日々、私たちは検索結果の適合性(レリバンシー)を高め、ユーザインテントに応えられるよう日々、アルゴリズムの刷新を行っています。
# これはMS adCenterのアルゴリズムの話ではなく、Bingのコアランキングの話と思われます。
Q) Bingの新機能によって、どの程度の検索ボリュームの増加が見込まれますか?
A) 検索ボリュームの量を予測することは難しいのですが、我々はBingキャンペーンの広がりによって今日の"検索の情報過多(サーチ・オーバーロード)"の問題に対する意識が高まると考えています。一度Bingを試してもらえれば、ユーザは引き続き、特にショッピングや旅行、健康、地域情報に関する意志決定を行う時に再びBingに戻ってきてくれると信じています。よって、検索ボリュームも増加していくと思います。
# Yahoo!との検索事業提携により、MS adCenterのリーチ、ハンドルする検索数量は3倍強になります(2009年8月8日時点)。
Q) Bing登場による広告主の本質的なメリットは?
A) Bingは特にショッピングや健康、旅行に関する意志決定を支援するための検索エンジンです。MS adCenterはこうした質の高いオーディエンスに向けて、適合性が高い広告を配信することが可能です。
# MS adCenterはシステムとしての完成度の評価は高かったのですが、広告配信ボリュームの絶対数が少なすぎて広告主から敬遠されてきました。Yahoo!との検索事業提携によりこの問題は解消されることになります。
Q) Bingによって広告の掲載方法は変わりますか?
A) いいえ。Bingになっても検索結果の掲載・配信方法は変わりません。
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デモグラフィック・ターゲティングはhotmailのアカウントも利用していましたが、Yahoo!との提携によってYahoo! ID の情報は参照されるのかしら?そういえば確認していませんでした。
Q) MS adCenterのアクションタグは変更必要?
A) いいえ、必要ないよ。
Bing and adCenter Advertisers – Q & A [Microsoft Advertising Community]
cf.
マイクロソフト、検索エンジン「Bing」(ビング)発表 (2009/05/29)
「Yahoo!JAPANにもBingを採用する可能性高い」 - Yahoo! 広報 (2009/07/30)
Yahoo! + MS BingによるSEO、検索マーケティングへの影響について (2009/08/04)