Yahoo!ウェブ検索が、検索結果表示画面において「タイトル」と「説明文」をYahoo!カテゴリ掲載文面から引用していることが確認された。一部のYahoo!カテゴリ掲載サイトに対して適用されている。
Yahoo!検索は2005年10月の変更以来、ウェブ検索にヒットしたサイトがYahoo!カテゴリに掲載されている場合に「説明文」をカテゴリ掲載文面から引用していた。Yahoo!カテゴリ非掲載サイトについては該当ウェブページのキーワードの前後を引用するKWIC方式だった。
しかし11月6日時点で確認したところ、一部のサイト※で説明文だけでなくタイトルもYahoo!カテゴリ掲載サイトに関してはYahoo!カテゴリから引用されている。例えば「SEM」で検索した際に2位に表示される「アイレップ」のタイトルは「アイレップホームページ」となっている。実際のWebページのタイトルタグに記述されているのは「SEM/インターネット広告代理店 アイレップ」だ。ただし、すべてのYahoo!カテゴリ掲載サイトがこのルールに従っているわけではなく、11月6日現在確認できるのは一部だ。
このようなYahoo!の仕様は、米Yahoo! Searchと同様だ。米Yahoo! Searchもウェブ検索にヒットしたサイトがディレクトリに掲載されている場合はその文面を引用する。しかし米国ではこの仕様についてSEO関係者の間では賛否両論があり、中にはSEO上の理由からYahoo!にあえて掲載しない選択をする場合もある。最近も、あるウェブサイト運営者がDMOZに掲載されているためにGoogleにて不明確なタイトルと説明文が表示されているとしてDMOZに対して削除要求を出した事例もある。検索クエリと、引用されたタイトルや説明文がマッチしていない、リンク先の内容が把握しにくい、クリックを誘引できないケースが出てくるからだ。
ウェブ検索結果画面の中からユーザーがどのリンクをクリックするかを判断するのは、タイトルと説明文の文面によって決定する。ペンシルベニア州立大学のMarc Resnick教授らが実施した調査では、ナチュラルサーチのリンクが関連性ありと判断する際の基準はサマリ(説明文、42.4%)とタイトル(41.3%)。一方ナチュラルサーチのリンクが関連性なしと判断する際の基準はタイトル(59.6%)と出ている。
Yahoo!検索の考えとしては、ウェブ検索はえてして不適切な説明文やタイトルを表示してしまう欠点を認識した上で、Yahoo!の資産であるエディタによって作成された客観的なサイト名と説明文を活用して情報の閲覧性を高めたいという狙いがあるのだろう。しかし、それらのタイトルと説明文は「ディレクトリ検索をしているユーザー」を念頭において作成されたものであり、何らかの検索クエリに対応して表示させるものとして適切かどうかは疑問の余地もある。
※ タイトルを引用する場合としない場合のルールがある模様です。