米Googleは2007年12月1日、ペイパーポスト広告を利用したSEO目的のリンクについての見解を表明した。10月に明らかにした、Paid Links(有料リンク、テキストリンク広告)に対する見解と同様、Paid Posts(報酬を受け取って書いたブログ記事)のリンクはウェブマスターガイドラインに違反すると述べている。
ペイパーポスト広告はクチコミ広告として、ブロガーに報酬を支払うことを条件に特定の話題について記事を書いてもらうもの。当初はブログマーケティングの手法として各社からリリースされていたが、最近はSEO(リンク対策)をアピールして販売されているケースも少なくない。執筆依頼時の文面にも、例えばエントリー投稿時の報酬発生条件として、『「○○○○○」(※ ○はキーワード)というキーワードをクリックすると以下の指定サイトにアクセスできるよう、アンカーテキスト(ハイパーリンク)を貼ってください。』といったルールを盛り込んでいる。
2007年10月にGoogleがPaid Linksについての見解を表明した際に、同じ”有料”であるペイパーポストによるリンク対策はどう取り扱われるのか注目されていた。11月に、米PayPerPostの参加ブログの一部のPageRankが調整(下降)されたことで、Googleの対応に関心が集まっていた。
Googleは、公正かつ正確な検索結果の提示を通じて利用者に最適な検索体験を提供することを目指しており、従って、これを達成するために検索インデックスの品質を保護する権利があると指摘。この検索品質を損なう要因の1つとして、PageRank取引を目的としたリンク売買を挙げ、「不正確さ」と「不平等さ」の2つの理由によりウェブマスターガイドラインに違反するとした。Paid Linksの氾濫はレリバンスやオーソリティに基づかない、金銭によって捏造された偽のリンクポピュラリティという不正確と、お金を持つサイトほど自然検索で有利に取り扱われるという不平等を招き、それが検索結果の適合性に悪影響を及ぼすという。
Matt Cutts氏はPaid Postsの具体的な例として、brain tumors(脳腫瘍)についてのペイパーポストを紹介。コンテンツの主体がペイパーポスト記事という報酬目的で作成された複数のブログを例示し、これらが書いている記事は、脳腫瘍やradiosurgery(放射線外科)について知識もなければ書く際に何の調査も行っていないため、情報に誤りがあるなど正確性や信頼性に欠けると指摘。本当に脳腫瘍を検索しているユーザーにとっては無益なコンテンツになっていると述べ、こうした信頼がおけない記事を多数持つペイパーポストネットワーク参加ブログのPageRankは検索品質保護を目的にPageRankスコアを調整しなければならないと理由を述べている。
Googleはペイパーポスト広告そのものを否定しているわけではなく、ただ、こうしたPaid Postsを公開する際はリンクに rel="nofollow" (nofollow属性)を追加するように呼びかけている。この理由についてGoogleは、例えば利用者に対して広告であることを伝えるために Sposored などと明記するのと同様に、検索エンジンにそれが広告であることを伝える必要がサイト運営者にはあり、その手段が nofollow であるとした。
Selling links that pass PageRank [Matt Cutts: Gadgets, Google, and SEO]
http://www.mattcutts.com/blog/selling-links-that-pass-pagerank/
Information about buying and selling links that pass PageRank [Google Webmaster Central Blog]
http://googlewebmastercentral.blogspot.com/2007/12/information-about-buying-and-selling.html