オムニチュア株式会社は2008年8月20日、ウェブ解析を最短の期間で導入し、すぐにビジネスに活かせることを目的としたコンサルティングパッケージ「Omniture Fusion」(オムニチュア・フージョン)の販売を開始した。
Omniture Fusionは業種やサイトタイプに即したビジネス課題の把握や評価指標の設定、技術支援などをパッケージ化した、ウェブ解析導入時の基本初期サービス。同社のウェブ解析ソリューション「SiteCatalyst」導入企業に提供される。業種やサイトタイプに応じたKPI(主要業績評価指標)の設定やウェブ解析データを取得するための基盤構築までを短期間で完了させることが可能になる。過去の例では、従来なら3,4ヶ月の時間をかけて導入している企業が、Omniture Fusionによって早ければ1週間、遅くても1ヶ月程度まで短縮できるという。
オムニチュアのジャパンカントリーマネージャー・尾辻マーカス氏は、ビジネス最適化のプロセスを「計測」「改善」「自動化」「統合」「革新」の5段階に分類。このうち、「計測」と「改善」の部分で多くの企業がつまずいていると指摘。ウェブ解析は技術的にあらゆるデータが取得可能であるが、ビジネスの視点から見ればすべてのデータが必要なわけではない。つまり、どのデータを分析し、どのようにアクションをとればいいのかを明らかにする必要があり、オムニチュアの回答が今回のOmniture Fusionだ。
続いてオムニチュアコンサルタント・大山忍氏がOmniture Fusionについて詳細を紹介した。オムニチュアコンサルティングは全世界140人以上のコンサルタント・7つの業種専門チーム・4つのソリューション専門チームで構成されており、顧客のビジネス独自の課題を解決し、ROIを最大化するための支援を提供している。この過程で蓄積されたベストプラクティスを凝縮してパッケージ化した。業界は小売、メディア、ハイテク、旅行、金融、自動車の6業種が用意されている。
大山氏は、現在のウェブ解析における問題点について、マーケティング担当者が目前にある課題を解決するために見るべきデータや視点を理解していないとし、Omniture Fusionによって、例えばECサイトなら商品売上を伸ばす、メディアであればPVを増やして広告収入を増やす、など業界別に見るべきKPIや指標の解釈方法、最適化ノウハウを提供し、最短でゴールに到達するための手順を提供していく
たとえば、アウトドア商品販売するサイトが「登山靴」の商品を掲載する時、どのカテゴリーに掲載するのが最も効果的か。「靴」カテゴリーでも「キャンピングとハイキング」カテゴリーでも掲載可能であるが、従来のバイヤーやマーケッターは感覚や過去の経験にもとづいて決めることが多い。しかしオンラインでは数値データから最も効果的な場所を決めることが可能であるため、ログデータを分析すればよい。
このケースでOmniture FusionではKPI「登山靴」の各「商品カテゴリー」における「売上」と「販売点数」を示すサンプルレポートを提示。このデータから「最も売れているカテゴリーは人気のアウトドアブランド」であることがわかるほか、さらに最適化手法の具体的アクションとして「カテゴリー内に商品Aの特集コンテンツを作成する」「カテゴリートップページの目立つ位置に商品Aを配置する」などの手順まで表示する。
オムニチュア:米NASDAQ市場上場、2007年度売上高は前年比80%成長の1億8000万ドル。全世界に4,500社、日本にヤフーや楽天、ソニー、花王、CNETなど200社以上の顧客を持つ世界最大手のウェブ解析ソリューション企業。オンラインビジネス最適化プラットフォームとして、「SiteCatalyst(サイトカタリスト)」や検索広告運用管理ツール「SearchCenter(サーチセンター)」などの製品を持つ。