ウェブトラフィックを分析する米Competeは2007年9月25日、米国ユーザーの検索サイトでのクリック行動についての調査データを公開した。
Competeに限らずNielsen OnlineやcomScoreなどどの調査会社も米検索シェアは過半数を占めるGoogleが1位、20%程度でYahoo!が2位、10%前後のMSN / Windows Live Searchが3位とのデータを発表している。ところで米国内における月間の検索回数はおよそ80億(2007年時点、Compete)だが、クリックに至った検索数は50億に過ぎない。つまり、検索回数総数の1/3は、検索したけれどもいずれのリンクもクリックされないという結果になっている。つまり、少なくとも3分の1の検索に対して、適切な検索結果を提示することができなかったことを意味する。
そこで、Competeは「検索回数に占める、クリックに至った検索回数の割合」を算出した。それが次のグラフだ。
Web Search Fulfillment (Share of search queries resulting in a referral, May - August 2007)
全体の検索回数のうちクリックに至った検索回数の割合を見ると、2007年5月~8月の4ヶ月間のいずれにおいてもGoogle、MSNを差し置いてYahoo!が1位になっていることがわかる。
「では、Yahoo!が最もユーザに対して適切な検索結果を提示していることに成功している」というかというと、話は簡単ではない。たとえば米Googleウェブスパムチームのエンジニア・Matt Cutts氏は、"ounces in a shot"というクエリで検索した時を例に示し、Googleはこのクエリに対して計算式を検索結果に直接表示するためユーザがクリックをする必要がないのに対し、Yahoo!は広告や自然検索を通常通り表示するためクリックせざるをえないと指摘。つまり今日の検索エンジンはユニバーサル検索における地図や画像のように「答え」を直接表示するためクリックが不要なケースがあり、従ってCompeteが提示したデータが検索エンジンの精度の良さを表しているわけではないとした。
Search Fulfillment: Yahoo! is best of breed [Compete]
http://blog.compete.com/2007/09/26/search-queries-results-yahoo-google-msn-live/
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Matt Cutts氏が指摘する通りで、クリックされることと検索精度の良さに相関関係があるとはいえないでしょう。