Google Operating Systemの報告によると、米Googleが一部のユーザを対象に、自然検索(ウェブ検索)結果中にユーザレビューの評価付けを掲載する試験を行っている。
私たち消費者は商品の購入に至る過程において、他人の評価や評判を参考に購入の可否を決定する場面が多々ある。たとえば日本国内なら家電やPCの購入に価格.comを、書籍の購入にAmazon.co.jpに掲載されているクチコミ情報等を参考にする場合がある。
しかし購入対象商品の全体的な評判を得るために複数のサイトを訪問しようとすると、クリックした先のページに必ずしも参考になるクチコミがあるわけではなく、時間と労力がかかってしまう。こうした利用者の検索課題を解決するための1つの答えが、今回Googleが試験を行っているような、ページのトピックや構造を把握し、必要とするデータ(今回ならユーザレビュー)を取り出して検索結果に表示することである。レビューのありかを提示することで、情報取得までの時間を短縮することが可能になる。
なお、Googleは昨年から掲示板の投稿件数を表示したり一部の動画(YouTubeがホストしていない動画)の再生時間を表示する試験を行うなど、一部のデータ構造を理解して必要な情報を抽出する技術の開発を継続している模様だ。
【参考】10年前と比較してウェブ上にはさまざまな形態のコンテンツが増えてきた一方、既存のリンク分析の手法に頼っては必要とする有益な情報のありかがわからないケースは多々ある。たとえば掲示板やブログにつけられた「書き込み」は、あるページに多数のコメントが寄せられ、それらが有益なコンテンツであったとしよう。しかしこうしたページは、コメント欄を通じた互いのコミュニケーションによって完結してしまい、外部からリンクが張られるわけではないため、従来のリンク分析に偏った手法ではこの種の有益なページは探し出せない。昨年後半から、2ちゃんねるなどスレッド形式の掲示板のページには投稿件数が検索結果に表示されるようになっているが、これも活発な情報交換がされているという1つの価値判断基準を検索利用者に提示しているといえる。