ヤフーは2009年12月16日、検索結果に多くの有益な情報を表示する、SearchMonkey(サーチモンキー)の日本国内の導入を明らかにした。同日、SearchMonkeyを有効にするための「Yahoo!検索プラグイン」を公開した。SearchMonkeyは今年3月に国内導入検討が明らかにされていた。
SearchMonkeyは2008年5月に米国で提供開始された、Yahoo! Searchのオープンプラットフォーム。「検索結果を使いやすく、魅力的にする」ことをコンセプトに掲げており、検索結果に文字だけでなく写真や価格、レビューの星の数、動画、ディープリンク(サイト内リンク)などのリッチなコンテンツを掲載できるようになる。
詳細な情報を掲載するためには、サイト運営者は(1)構造化データの提供、(2) 検索プラグインの開発、の2つの手順が必要となる。まず、RDFやmicroformatsなどのセマンティックマークアップを使って価格やレビューなどの情報を整理した構造化データを作成し、Yahoo!Japanに送信・共有する必要がある。また、検索結果の表示内容を変更する検索プラグインを別途開発・ユーザーに提供する。ユーザがそれらのプラグインを設定することで、検索結果のサマリ部分に多くの情報が表示されるようになる。今回、提供開始されたYahoo!検索プラグインはその検索結果の表示方法を制御するためのプラグインだ。
公開されたプラグインは、Yahoo!知恵袋やYahoo!グルメなどのYahoo!JAPANサービスのほか、ぐるなび、グルメウォーカー、All About、クックパッド、ビッダーズ、OKWave、Wikipedia、レシピ大百科、食べログ、キッコーマンホームクッキング、楽天オークションなど、レシピ、グルメ、レファレンスなどのジャンルから合計20個ほど。いくつかのプラグインは、デフォルトで設定された状態になっている。
ヤフーは2010年春から、誰でもプラグイン開発に参加可能にする開発ツールを公開する予定。サイト運営者が構造化データとプラグインを開発・用意することで、自分のサイトが検索結果に現れたときに、より魅力的な情報が提供できるようになる。
検索会社によるセマンティックウェブへの取組みは、米Yahoo!がSearchMonkey(2008年、米国)で先行した。当初静観していたGoogleは2009年5月にリッチスニペット機能を発表し、同じくRDFやmicroformatsによる構造化データのサポートを開始した。両社ともに、価格やレビュー、平均価格などの情報を構造化して検索エンジンと共有することで、検索結果をより便利にする点は共通だ。
セマンティックウェブという言葉自体はずっと昔から存在したが、それに対応することの明確なメリットがなかったことから浸透しなかった。しかし2大検索エンジンがともに構造化データをサポートすることで、「トラフィック」獲得という導入する明確な理由が生まれた。とりわけ日本では過半数のシェアを握るYahoo!JAPANが対応したことで、順次、導入が進んでいくことが予想される。
検索結果を見やすく魅力的にする「Yahoo!検索プラグイン」を公開しました
http://searchblog.yahoo.co.jp/2009/12/searchmonkey.html
cf.
解説:Yahoo!JAPAN、SearchMonkey日本版を公開、検索プラグイン提供開始 [サーチエンジン情報館]