ヤフー、SearchMonkeyの国内導入検討を明らかに

ヤフー株式会社は2009年3月16日、東京・三田で開催されたセマンティックWebコンファレンス2009において、米国で展開しているYahoo! SearchMonkey（サーチモンキー）の日本での導入を検討していることを明らかにした。

SearchMonkeyは2008年5月に米国でリリースされた「検索結果を使いやすく、魅力的にする」をコンセプトにしたYahoo! Searchのオープンプラットフォーム。Web開発者はSearchMonkeyを利用することで、検索結果に文字だけでなく写真や価格、連絡先、ディープリンク、動画などのリッチなコンテンツを掲載することが可能になる。具体的には、サイト運営者がRDFやmicroformats（hCard、hCalendar、hReview、hAtom、hResume etc.）などのセマンティックマークアップやXMLフィードを用いて構造化データ（structured data）を作成しYahoo!と共有すると、Yahoo! Searchが検索結果を表示する際にこれら構造化データをカスタマイズして表示する。この表示形式はプラグイン（アプリ）によってサードパーティーが自由に設計することができる。

SearchMonkeyを利用すると、あるeコマースサイトの商品ページの検索結果を表示する時に、商品写真と価格、在庫の有無、レビューへのディープリンクを掲載できる。また、レストランの情報を表示する時に、お店の外観写真や住所、電話番号、クチコミや地図へのディープリンクを加えられる。映画であれば、ワンクリックでDVDをレンタルできるボタンを設置することも可能だ。検索結果にテキスト文字以上の豊かな情報が掲載できるだけでなく、ユーザのアクションを想定したコンテンツへのリンクをダイレクトに提供できるため、検索利用者も優れた検索を体験できるようになる。実際、SearchMonkeyの導入によってクリックスルーが15～30%程度上昇した事例がいくつもあるという。

SearchMonkey システム概要

出典：Semantic Search and the Social Web ... and a Monkey より

会場ではYahoo!検索事業部の清水徹氏と一条裕仁氏が講演をした。日本での展開について、同氏はSearchMonkeyが推し進めるオープン化戦略はYahoo! JAPANの戦略とも合致するものであり、またSearchMonkey自体も未来のあるプロダクトだと判断していることから、導入検討はしていると説明した。ただ、セマンティックWebは一般のサイトオーナーにとって敷居が高い点が課題だという。

Yahoo! SearchMonkey サンプル