GoogleマップやGoogleプレイスなどの地域情報検索サービスにおいて、関連したキーワードで検索した時に自社のサイトやコンテンツが上位に表示されやすくするためには、これら地域情報検索サービスの特性を理解した上で、適切なサイト設計や情報提供形式を考慮しなければいけません(以下、これを「ローカルSEO」と表記)。
ローカルSEOは、一般的なウェブ検索向けのSEOの要素に加えて、ローカル検索特有の評価にも対応する必要があります。たとえばサイテーション(citation)、ローカルディレクトリ、ユーザレビュー、ローカルエリアサイトからの被リンクと行ったものが挙げられます。今回はサイトやローカルディレクトリに掲載する住所と電話番号の表記にフォーカスしてみます。
ローカル検索は、ウェブサイトがどのエリアと関連性が高いか判断するために、ウェブページ上の記述やバックリンク元サイトのエリア属性等を参考にします。また、ローカルディレクトリやブログなどである会社について言及された時に、その言及(サイテーション)と結びつけるべき会社やウェブサイトを決定するために、住所や電話番号を参考にします。
ところで難しいのが、こうしたアドレスの表記方法です。たとえば、私が所属する株式会社アイレップを例にとって説明しましょう。
この会社の住所と電話番号を表記すると、次のようなバリエーションが考えられます。
1. 全角表記 (東京都渋谷区渋谷2-1-1 青山ファーストビル
2. 半角表記 (東京都渋谷区渋谷2-1-1 青山ファーストビル)
3. 番地表記 (東京都渋谷区渋谷2丁目1番1号 青山ファーストビル)
4. フロア表記 (東京都渋谷区渋谷2-1-1 青山ファーストビル 3F)
5. フロア違い (東京都渋谷区渋谷2-1-1 青山ファーストビル 5F)
6. 記述間違い(東京都渋谷区渋谷2-1-1 青山ファースビル)
7. 省略形 (渋谷区2-1-1 青山ファーストビル)
同様に電話番号(代表)も
1. 03-5464-3398
2. 0354643398
3. 0354643398
4. 03-5464-3398
当社の場合は関係ないのですが、飲食店やクリーニング屋さん、病院の場合、「営業時間」という項目が出てきます。これまた複雑で
例) 月~土 09:30 ~ 13:00 と 15:30 ~ 19:00 で営業、ただし木曜日と土曜日は午後休みの場合
1.
9:30~13:00
15:30~19:00
木曜・土曜は午前のみ
2.
9:30~13:000
15:30~19:00
木曜・土曜は午後休み
3.
月~水、金:9:30 ~ 13:00、15:30 ~ 19:00
木、土:9:30 ~ 13:00
4.
月曜日~金曜日
午前9:30~ 午後1:00
午後3:30~07:00
木曜・土曜は午前のみ
5.
月~金
午前9時30分 - 午後1時
午後3時30分 - 午後7時
木曜・土曜は午前のみ
(以下、省略)
こんな具合に、内容は同じながら表記方法は様々です。しかし、Googleはその記述内容から、どのサイテーションとどのローカル情報を結びつけるかを判定するため、記述方法が異なると適切に情報の紐付けを行ってくれない可能性があります。
どう対応したらいいでしょうか。
第1に、Googleはこうした事情は十分に理解しており、アルゴリズム検索技術を用いてこれらの表記の揺れを吸収して、適切に処理するような仕組みになっています。営業時間の表記もバリエーションは数多くあるのですが基本的なパターンは決まっているので(『24時間表記と12時間表記』、『休み、休診という文字列の前後に出てくる漢字や数字』など)、機械的にある程度は処理できます。また、何らかの理由で住所のビル名が変わったり、特定のローカルディレクトリの情報が更新されていない場合でも、インターネットから収集した情報を通じて、どの情報が最新のものであるかを自動的に判定してくれます。
しかしながらGoogleも完璧ではない上、結構あやしい点もあります。そこで2点目、住所と電話番号、営業時間の表記はルールを決めて、少なくとも自社でコントロールできる媒体においては統一を行うといいでしょう。とりわけGoogleプレイスやGoogleマップを優先するのであれば、Googleプレイスの表記フォーマットで統一するというのも1つの手です。
第3に、基本的にGoogleは事業者が送信してくれた情報を最も信頼できるソースとして処理しますので、少なくともGoogleプレイスの情報は常に最新のものにアップデートしておきましょう。