米Microsoftは2011年8月16日、検索エンジン・Bingのサイト掲載状況を把握するためのウェブマスター向けツール「Bingウェブマスターツール」に、米Yahoo!のトラフィックデータも取り込んだことを発表した。
今回のデータ統合により、Bing Webmaster Toolsから BingとYahoo!の合算データを参照できるようになる。具体的には、「インプレッション数」「クリック数」「クリック率」の数値が統合されるため、このデータ統合にあわせて表示されるデータも変更される。継続的にデータを監視してきたウェブマスターは、データソースが変わるため注意してほしい。実施日は2011年8月12日。
あくまでウェブマスター向けツール上でデータが統合されるだけであり、Bingのランキングには影響しない。また、現時点では両者を合算したデータは閲覧できるが、いずれか一方のみを閲覧することができない。さらに、Bing Webmaster Tools日本語版でも画面上はYahoo!とBingを合算したかのようなデータになっているが、Microsoftによると「BingがYahoo! Searchを提供している市場が対象」とのことなので、日本版で表示されるデータは Bing のみと推定される。
検索エンジン各社は、ウェブマスターが検索エンジンのインデックス状況を確認するためのツールとして、Googleは「Googleウェブマスターツール」、Bingは「Bingウェブマスターツール」、Yahoo!は「Yahoo!サイトエクスプローラー」を提供してきた。
しかし2010年のMicrosoftとYahoo!の検索事業提携後、Yahoo!は主要な検索技術をBingに頼るとともに、同社独自の検索関連サービスの事業再編成を行ってきた。その過程でサイトエクスプローラーは2011年後半に閉鎖されることが決定していた。Bing Webmaster Toolsへのデータ統合により、サイトエクスプローラー独自の機能が利用できるようになるわけではないが、とりあえずYahoo!上のデータは(合算という形ながら)取得できるような措置はとられたという格好だ。
Announcing the integration of Yahoo traffic data into Bing Webmaster Tools reports
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以前の記事で指摘した、トラフィックの誤訳(交通情報)が修正されていました。また、以前は「指標」となっていたものが、「インデックス」に変更されています