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公正取引委員会、スマホ検索を巡る問題でグーグル事務所を調査

韓国の公正取引委員会(KFTC)が2011年9月7日、米Googleの韓国・ソウル事務所を捜索したことが明らかになった。スマートフォンにおける検索を巡り、Googleが公正な競争を妨げたかどうかを調査するためとのことだ。

韓国インターネット検索大手のNHN(NAVER)とダウム・コミュニケーションズが4月に行った公正取引委員会への申し立てに基づくもの。両者は、Googleの基本ソフト「Android」を組み込んだスマートフォンを提供する携帯電話会社及び端末開発メーカーが、Google以外の検索用アプリケーションをスマホ端末に組み込むことを阻止していると訴えている。

一方Googleは、「Android OSはオープンなプラットフォームであり、携帯キャリアやOEMパートナーはAndroidスマートフォンにどのアプリケーションやサービスを組み込むかを自由に決定することができる。我々はGoogle検索やGoogleアプリケーションを組み込むことを要求していない」と反論している。

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解説。韓国のPC向け検索市場は、NHNとDaumで9割超のマーケットシェアが握られており、世界でも数少ない"Google検索の存在感が薄い国"であります。しかしこの状況を変える存在になりうるのがスマートフォン市場の広がり。韓国のスマートフォン市場全体の規模は約1,410万台(聯合ニュースより)、うちAndroidスマートフォンが70%を占めています。

大抵のAndroid端末はデフォルトの検索エンジンがGoogleなので、このままだと韓国のスマホ検索の市場をGoogleに持っていかれる可能性があります。それに噛みついたのがダウムとネイバーで、今年4月にAndroidスマホがライバル事業者(=NHN&Daum)を不当に排除したと申し立てを行ったのです。

ちなみにスマートフォン搭載の検索機能といえば米キャリア・VerizonのSamsung Fascinateを巡った問題が昨年起きています。VerizonはMicrosoftとの提携により、Bing検索をデフォルトで採用する契約を結んでいたのですが、Samsung Fascinate でGoogle検索を排除したことで批判を浴びました(Google SearchをAndroid Marketからダウンロードできないなど、ユーザー自身でデフォルト検索をGoogleに戻すことが極めて困難だった)。このことが、ベライゾンのSamsun Galaxy II採用を見送らせた要因とされています。

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