ブルームバーグの報道によると、米国ゲーム小売大手のGameStopが、Facebook上で開設していたオンラインショップを閉鎖したという。350万人以上のファンを標的として売上増加を狙ったものの、開設わずか半年での閉鎖となった。
F-commerce - Facebookに滞在する数億のユーザーを標的としたコマースビジネスは以前から注目されており、Amazon やPayPal を脅かす存在になるのではないかと指摘されていたが、実情は上手くいっていない。GameStopに限らず、手デパートチェーンのJ.C. Penney やノードストローム(Nordstrom)、アパレル大手のGap といった企業も、かつてFacebookにショップサイトを開設したものの現在は閉鎖している。
米Forrester Researchのアナリスト・Sucharita Mulpuru氏は「Facebookというソーシャルネットワークが、人々が商品を購入する場所に変わるという期待感があった。しかし実際には、友達同士がバーで会話しているところで商品を販売しようと試みている感がある」と指摘する。
F-commerce から撤退した企業の声を総合すると、「(各々の企業が運営する)既存のWebサイトで便利に買い物ができるのに、Facebookで購入する理由がない」「ROIが見合わない」といった声があがる。
実際、Facebookに開設されたショップを見ると、不十分なサイト内商品検索、探しにくいカテゴリ構成、見づらいレイアウト、詳細を見るのにアプリを許可する必要がある、在庫や納期情報が不明など、既存のWebサイトなら当然経験できるであろう同等のショッピング体験が用意されていないケースが少なくない。ソーシャル広告は順調に稼働しているが、新たな収入源として期待されていたコマースビジネスの戦略をどのように修正していくかが課題だ。
Business Insiderは、Facebookが先月IPOを申請したもののF-commerce の相次ぐ失敗が打撃になるかもしれないと指摘している。
GameStop
Gamestop to J.C. Penney Shut Facebook Stores: Retail [Bloomberg]
Facebook Commerce Has Been A Big Flop [Business Insider]