【要約】『次世代パーソナルサービス推進コンソーシアム』の公式ドメインが変更になったにも係わらず、情報大航海プロジェクト公式サイトがリンク先を修正しなかった。同コンソーシアムの以前のドメインがスパム業者に再取得された結果、大航海プロジェクト(ドメイン:www.meti.go.jp)からの発リンクがそのスパムサイトに向かう状態になり、放置されている。
【おことわり】 本事案については2013年12月14日、経済産業省に詳細を通知しました。しかし、2014年1月16日午前7時時点で対応が行われず、放置されたままとなっています。
【UPDATE】 2014年1月17日午前9時時点で、修正が完了したようです。
画面(1) 問題のある発リンクが埋め込まれている場所(右下の紫色部分)
中古ドメインとブラックハットSEO
過去に使用された履歴のあるドメイン名のことを「オールドドメイン」や「中古ドメイン」と呼びます。本記事ではこの中古ドメインの利点や欠点、善悪等については言及しませんが、『高評価なウェブサイトからリンクを受けた中古ドメインは、ブラックハットなSEOが悪用手段として好んで用いやすい』傾向にあることは事実です。
Googleは、ウェブサイトのサイトプロファイル(サイト全体の履歴情報)を記録しており、コンテンツの話題や分野ががらりと変わったり、コンテンツとリンクプロファイルの整合性が著しく欠けるなど、ドメイン所有者が全く関係ない第三者に変更になり、かつサイトの開設目的が変更されたであろうシグナルを発見した際には、過去のPageRankをリセットする(ゼロに戻す)対応を行います。しかし、ウェブスパマーな人々はこのからくりを理解しているので、Googleに見つからないようにあの手この手で過去のドメイン所有者が蓄積した評価を引き継いで悪用するのですが…。
何らかの理由でサイトを閉鎖してドメインを放棄することは個人・企業問わず起こりうることなのですが、以前CNETにて掲載したコラム『安易なドメイン放棄が招く、ブランド毀損リスク』で指摘した通り、リスクを認識していないために、大手企業のバナー広告をクリックするとアダルトサイトに移動してしまうといった事象が未だにあちこちの企業のサイトに残されています。
情報大航海プロジェクトとスパムリンク
これは官公庁も例外ではありません。たとえば『情報大航海プロジェクト』(経済産業省 www.meti.go.jp )のサイト(www.meti.go.jp/policy/it_policy/daikoukai/igvp/index/)。情報大航海プロジェクトは、国産の検索エンジンを作ろう云々で始まりましたが、単にお金のばらまきと芳しくない検索技術開発で終わったプロジェクトです。某社の全然面白くないオモロ動画検索サービスも本プロジェクトです(参考:サグール 閉鎖)。
この大航海プロジェクトの公式サイトは現在も開設されていますが、問題は画面右下にある「次世代パーソナルサービス推進コンソーシアム」のリンク先です。同コンソーシアムの公式サイトは2014年1月16日現在、www.coneps.jp です。
しかし、同プロジェクトに設置されている発リンクは、www.coneps."jp" ではなく、www.coneps."org" になっています。