米GoogleウェブスパムチームのMatt Cutts氏が、同社ガイドラインから「1ページあたりの発リンクは100未満にすること」の記述を削除(変更)した理由について動画で解説した。以前は『ページのリンクの数を適切な数 (100 未満) に抑えます。』と記述されていたガイドラインが現在は『1 ページのリンクを妥当な数に抑えます。』と変更されていることの背景だ。
1ページ内に大量の発リンク(他のページへのリンク)を設置することはSEOの観点から良くないのではないか、と心配するサイト運営者を時折見かけるが、そのような心配は不要だ。そもそもの発端は、10年以上前(2000年前半)のGoogleのクローラ性能では1ページあたり100KB程度、リンク数にして100個程度が妥当だという判断からこのようなガイドラインが生まれたわけだが、近年のGoogleは性能が大幅に向上したことで100以上のリンクがあっても実際にはクロールすることが可能だと2009年時点で公に説明している。ただし、ユーザーエクスペリエンスの観点から導き出せる合理的範囲内の発リンク数としてこの記述は残されてきた。
しかしウェブは変化し、リッチコンテンツを大量に扱うサイトやアグリゲーションサイトの登場により、1ページあたり多数の発リンクを持つサイトも増加してきた。こうした事情から「1ページあたり発リンク100未満」のガイドラインは削除されることとなった。しかし、不適切な発リンクを多数抱えるページであればスパムと判断される可能性があることは従来通りだ。
How many links on a page should we have? Is there a limit?
Just for the record, we can process more than 100 links per page :-).
We do however recommend the limit of 100 because it generally makes
sense for users (and search engines). [John Muller, Google, 2008]
Matt Cutts、「1ページあたりのリンク数は100」の理由について説明
http://www.sem-r.com/seo/20090311114821.html
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食べログやpixiv、ニコニコ動画、ホットペッパーなどのサイトを見ても明らかですが、WordPress等のCMSでサイトを作る、ECサイトを構築すると大抵は1ページあたり100リンクを越えてしまうものです。ユーザーにとって意味のあるリンクである限り、いくらリンクが設置されていても問題はないということです。コンテンツを楽しんでもらうための、必要な機能としてのリンクであればたくさんあっても大丈夫。
ちなみに動画の中で Matt Cutts氏は1ページあたりの発リンク数が増加すれとPageRankもスプリットされる主旨の話をしていますが、私には何故彼がこの話に言及したのか理解に苦しみます。こういうことを話すと、「PageRankフローの最適化をしなくては!」という、実利がほとんどない、しょうもない細部にこだわろうとする人が出てきてしまうと思うのですが、どうなんでしょう。余計なことをぺらぺら話す必要はないと思います。情報公開は歓迎であるものの、過度に与えられると混乱する人たちがいるということにも配慮が必要ではないでしょうか。過去の nofollow 周りの問題が再発しかねません。