SEMリサーチ

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Googleマットカッツ氏が選ぶ4つのSEO神話

米Google特別エンジニア・Matt Cutts(マット・カッツ)氏は2014年4月16日、未だに語られる SEO の神話(作り話)についてビデオで回答した。

What are some of the biggest SEO Myths you see still being repeated (either at conferences, or in blogs, etc) - Ryan, Michigan

カッツ氏は、未だに多くのSEOの嘘話を耳にするというが、まず最初に挙げたのは「アドワーズ広告を購入すると、自然検索結果の順位が上がる」という陰謀論と、その逆の「アドワーズ広告を購入しないと、順位が上がる」という陰謀論だ。あるいは、「Google はアルゴリズムを変更することで、より多くの人に広告を購入させようとしている」といった話まであるという。

こうした誤解をする人々には、Google のメンタルモデルを理解してもらう必要がある。つまり、Google は検索結果で何をしようとしているのか、その背景を理解することだ。Google は、検索利用者に素晴らしい検索結果を提示しようと努力している。それが実現できれば、優れた検索体験を提供出来れば人々は再び Google に戻ってきて、また別の検索を行うだろう。検索する機会が増えれば、広告に触れる機会も増えることだろう。つまり、自然検索結果の順位と、広告は一切関係なく、広告を利用すると/利用しないと検索順位が上がる/下がるなどというロジックは成立しないのだ。カッツ氏によると、この話題が何度も何度も見かける、最も大きな SEO 神話の1つだと述べている。

第2に、ブラックハットSEO(≒スパムSEO)なユーザーが集うフォーラムなどの記事を読んで、皆がこれを勧めているからと自分で十分に検討せずにその集団に従ってしまう傾向(集団的意思決定)を指摘した。たとえば、ある時期には記事ディレクトリが一番効果的だと言われて従い、その半年後に今度はゲストブログが旬だと知ってそれを使い、また数ヶ月後にはリンクホイールが良いんだと・・・といった具合に、集団に流されてしまうウェブマスターは少なくない。SEO系の情報商材が正に良い例で、こうした(怪しい)SEO情報の多くが「絶対に」「100%」順位が上がり売上げも何十倍になることを必死にアピールしているわけだが、もしそれが真実であるなら、そんな情報を売るよりも自分でそれを活用してお金を稼ぐ方が利口だろう、つまり、それをしないということは・・・というわけだ。日本では他にも、某集団が定期開催するSEOセミナーで「いま最新のSEOは○○○だ」といつもアピールしているが、こうした情報に扇動されて高い費用を支払い、Google からペナルティを受け、その相談をするためにまた高額な費用をエセコンサルタントに支払っているウェブマスターがいるという現実もある。

SEOの古い知識・都市伝説については、SEO の常識・非常識・都市伝説 (2014年版)の記事で別途まとめているので、あわせてお読み頂きたい。

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