米Google は2014年6月25日、ウェブ検索結果で見つけたコンテンツをアプリで直接閲覧することを可能にする App Indexing (アプリインデックス)を全ての開発者及びアプリで利用可能にすると発表した。同時に日本でも提供が開始された。
App Indexing は2013年10月に発表された機能。ウェブサイトの各ページと、対応するスマホ向けアプリ内の特定コンテンツを紐づけることにより、ユーザーが検索結果のリンクをタップした時に、アプリを起動してそのアプリからコンテンツを閲覧できるようになる。例えば、A 社がレシピ情報をウェブサイトとアプリの両方で提供しているとする。App Indexing に対応していると、ユーザーが検索結果で A 社のレシピページを見つけた時に、それをタップすると直接アプリが起動してそのレシピを(アプリ上で)表示する。
App Indexing はアプリを直接起動してコンテンツを閲覧する機能であるため、検索利用者が該当アプリを既にモバイル端末にインストールしていることが前提となる。つまり App Indexing は、既にアプリをインストール済み=ある程度の関係性が構築できているユーザーの検索体験を高めることが主たる目的となる。アプリ内のコンテンツを検索を通じて直接探し出せるようになることもメリットと言えるだろう。
App Indexing は昨年のリリース時点では、Google が選定した特定の開発者のみに限定されていたが、Google I/O 2014 の開催にあわせて、全ての開発者が App Indexing を利用できるようになった。また、リリース時点では複雑だったプロセスも、大きく簡易化された。
App Indexing を利用するためには、Google がアプリ内のコンテンツをクロール及びインデックス登録できるように、ディープリンクを張る作業が必要となる。つまり、ウェブページの1つ1つのコンテンツが、アプリのどのコンテンツと関連性があるのかをコンピュータで処理できるようにするために、ディープリンクによる紐づけが必要ということだ。
具体的には、(1) アプリをディープリンクに対応させる、(2) Google Play コンソールとウェブマスター ツールを使ってサイトとアプリを接続する、という2段階の手続きを踏む。
App Indexing は Google I/O の発表にあわせて日本国内のデベロッパーからも対応アプリが発表された。具体的には クックパッド、ヤフオク、Hot Pepper Gourmet、タウンワーク、pixiv、 WEAR などが App Indexing を実装している。
ウェブサイトとアプリの両方を展開している企業は、この新しい Google検索用 App Indexing に興味を持つかもしれないが、その一方で、パソコンとスマートフォン、タブレットというデバイスの違いによる利用者行動の違いや、収益に関係するコンバージョン等費用対効果の観点から躊躇している企業もあるかもしれない。たとえば、スマートフォン版サイトとパソコン版サイトを比較した時に広告収益は前者が著しく劣るといったケースだ。しかし App Indexing はどのページにアプリへのディープリンクを検索結果に表示するかをサイト運営者側で完全にコントロールできるため、アプリとウェブサイトの利用行動を十分に分析したうえで、対応を検討することが可能だ。
なお、
Android の App Indexing が誰でもご利用いただけるようになりました!
http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2014/06/android-app-indexing-is-now-open-for.html
Android app indexing is now open for everyone!
http://googlewebmastercentral.blogspot.jp/2014/06/android-app-indexing-is-now-open-for.html
アプリにディープ リンクを追加 Google 検索用 App Indexing
https://developers.google.com/app-indexing/webmasters/app
アプリをウェブサイトに接続 Google 検索用 App Indexing
https://developers.google.com/app-indexing/webmasters/connect