先日ベニスアップデート(Venice Update)の影響調査をしている過程で調べたことをメモ的に。日Yahoo!が米Googleと提携しているといっても検索周りの細かな仕様は違います。現在地情報の取得方法も両者で異なるので、同じ場所にいるユーザーでも Yahoo!検索と Google検索の結果は異なることがあります。
Google(パソコンから検索)
- IPアドレス(※ Google で what is my ip と検索すると自分のIPアドレスが表示される)
- ロケーション履歴
- Wi-Fi接続
- 携帯端末の位置情報(同じGoogleアカウントでログイン中の場合)
- Google ツールバーの現在地情報(有効にしている場合)
- 最近検索した場所
- 次のページで設定した場所( https://www.google.co.jp/preferences?hl=ja&fg=1#location )
Google(スマートフォンから検索)
- GPS(位置情報共有を許可している場合)
- 携帯電話基地局(Googleマップ、位置情報共有を許可している場合)
- ロケーション履歴
- Wi-Fi接続
- ウェブとアプリのアクティビティ
- IPアドレス
- ロケーション履歴
Yahoo!検索(パソコンから検索)
- IPアドレス
- Yahoo!天気・災害に設定してある「パーソナル天気-毎日見るエリア」の場所
Yahoo!検索(スマートフォンから検索)
- IPアドレス
- Yahoo!天気・災害に設定してある「パーソナル天気-毎日見るエリア」の場所
- GPS(ダイレクト検索を利用した時に画面に表示される「現在地で検索」をタップして位置情報共有を許可した場合)
以上のように、Google検索と Yahoo!検索は現在地の判断方法が違います。Google は任意に現在地を変更できるのに対して、Yahoo! は現状(2015年1月12日)Yahoo!天気・災害のエリアから設定する必要があります。
スマートフォンからは両者ともに、現在地を共有する設定が必要です(ポップアップのメッセージが出てくる)。
多くのシグナルを使って正確に現在地を判断しようとする Googleの方が検索結果のローカライズの精度は高くなります。年末年始に調査した例を挙げますと(参考:ベニスアップデートでますます変わる「検索順位」指標の意味と役割)、静岡駅近くのホテルアソシア静岡の前で、ノートPC から Wi-Fi 接続した docomo回線のデータ通信端末を使ってインターネットに接続したところ、Google検索は(200メートルずれているが)おおよそ静岡駅周辺の情報を表示したのに対して、Yahoo!検索は大阪市内の検索結果を出してきました。
現在地情報の判定精度にこれだけの差が出ると、ベニスアップデートが両者の自然検索結果に反映されるとはいえ、ユーザーが見る検索結果は(たとえ物理的に同じ場所にいても)大きく異なるケースが少なくないでしょう。モバイル検索の強化とは、こうしたロケーションの把握とそれにあわせた関連性の提示が重要という意味もあります。Yahoo!検索利用時に位置情報共有が許可されれば(GPS情報を取得できるので)問題ないのですが、様々な利用状況を想定すると、いろいろな情報を参照できる Google の方が判定精度は高くなりそうですね。
cf.
Google での現在地の変更
https://support.google.com/websearch/answer/179386?p=ws_settings_location&hl=ja&rd=1
Yahoo!検索設定 検索設定の使い方(パソコン版、スマートフォン版)