マイクロソフトの検索エンジン・Bing(ビング)日本語版で、2015年1月30日夕方頃から一部のWebサイトがオーガニック検索結果に全く表示されない不具合が発生していた。同31日明け方に復旧した。
一部の.jpドメインサイトが検索結果に表示されない不具合
2月2日時点でマイクロソフトからは特に発表はなく、原因等は不明。発生した不具合は、一部の.jpドメイン(.ne.jp, .co.jp, .jp)のWebサイトがあらゆる検索キーワードでBing検索結果に一切表示されないという内容。対象サイトは定かではないものの、調査した限り共通点は .jp ドメインを利用していることであり、.com など他の gTLD / ccTLD で同症状は確認できなかった。
同トラブルの影響範囲は定かではないが、確認できただけでも ニコニコ動画(nicovideo.jp)、nanapi (nanapi.jp)、スバル (subaru.jp) 、エイサー (acer.co.jp)、マスターカード (mastercard.co.jp)、翔泳社 (shoeisha.co.jp)、OCN (ocn.ne.jp)、セプテーニ (septeni.co.jp)、フルスピード (fullspeed.co.jp)、Hulu (hulu.jp)、新千歳空港 (new-chitose-airport.jp)、那覇空港 (naha-airport.co.jp)、福岡空港 (fuk-ab.co.jp)、富士山静岡空港 (mtfuji-shizuokaairport.jp)、スターフライヤー (starflyer.jp)、アシアナ航空 (asianafare.jp)、アメリカン航空 (americanairlines.jp)、AIR DO (airdo.jp)、ソラシドエア (skynetasia.co.jp), 富士急ハイランド (fujiq.jp)、ディズニー (tokyodisneyresort.jp)、メルカリ (mercari.jp)など、カテゴリを問わず広範囲に及んでいる(※ いずれも31日未明時点の自然検索結果)。
これらは目視確認できたサイトの一部に過ぎず、実際にはもっと多くの .jp ドメインサイトが自然検索結果に表示されなかった可能性が高い。
site:検索で「一部の検索結果が削除されました」の一行のみ
Bingに障害が発生した間、列挙したWebサイトのドメインを指定した site: 検索を行うと次のスクリーンショットのように「一部の検索結果が削除されました」のメッセージのみが表示される状態だった。表面上は、当該ドメインが一切インデックスされていないのと同じ状態だった。この問題も31日早朝に解消された。
検索流入が大幅減少するなどの影響
パソコン、スマホ両検索結果において12時間程度、あらゆる検索キーワードでサイト全体が全く表示されていなかったため、影響を受けた Webサイトの Bing からの検索流入は大きく落ち込んでいた可能性がある。JPドメインで運営されている担当者は、Web解析ツールで30日~31日のBingの検索トラフィックを確認してみることを勧める。幸い、検索シェアが小さな Bing であるためビジネス面で大きな影響が及ぶサイトは一部の大きなサイトに限られるだろう。
Bing日本語版のみの障害か 海外では報告なし
Bing検索のトラブルの間、米国向けのリアルタイム検索や Twitter などで同症状の報告をしているユーザーがいないか調査したが、少なくとも英語ツイートで本事象に言及しているユーザーは確認できなかった。一方、日本国内でも本件について触れていたユーザーは数えられる程度だった。もっとも、言及数が少なかったのはBingの国内検索シェアがほんの僅かに過ぎないことはもちろん、同検索エンジンに興味関心を持つユーザーの絶対数が少なすぎることが関係していると思われる。先に紹介した通り、大手から中小、個人サイトまでかなりの数のWebサイトが検索結果に表示されておらず、それらのWebサイトへの自然検索流入には多少の影響が及んでいるはずだ。
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