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Yahoo!検索、8月18日より検索結果ページをSSL暗号化すると発表

Yahoo!検索は2015年8月12日、検索ユーザーに安全なサービスを提供することを目的に、検索結果をSSL暗号化することを公式に発表した。

8月18日より段階的にSSLに移行する予定という。Yahoo!検索のURLは https://search.yahoo.co.jp/* に変わるが、13日時点ではまだアクセスできない。

検索のセキュリティ強化では Google が先行している。同社は2011年10月に検索サービスのデフォルトをSSLにすると発表し、日本でも2012年3月よりデフォルトで検索の暗号化を導入している。

参照検索キーワードはどうなる?

さて、マーケティング担当者にとって心配なのは、来訪したユーザーが使用した検索クエリをウェブ解析ツールを通じて取得できるか否かという点だろう。この点について Yahoo! は特に言及しておらず、具体的な仕様についても言及されていないため、現時点で判断することはできない。追加情報が明らかになり次第、本サイトで情報を更新する。

ちなみに Google は、ユーザーが自然検索結果のリンクをクリックしてページへ移動する時に、URLに含まれているクエリ情報を含むパラメータ q= 以下を削除してリダイレクトする仕組みのため、訪問先ページに参照キーワードが渡らない仕様となっている。Google Analytics では Google から来訪したことは判定できるが、具体的なクエリは not provided と表示されてしまい、知ることはできない。ただし、Google は Search Console (旧ウェブマスターツール)を通じてキーワード情報の一部を提供しているため、全く知ることができないというわけではない(ただし不便ではある)。

仮に Yahoo! JAPAN の参照キーワードが取得不可能になったとしての影響は?

先に述べたとおり、現時点で Yahoo! JAPAN が採用する予定の検索サービスの暗号化についての仕様がわからないため、実際に導入されるか同社から何らかの追加情報が発表されない限り、どうなるかはわからない。それを踏まえた上で、マーケッターにとって最も望まないケースであろう「全くキーワードを知ることができない」状況になったとして、どのような影響があり、対処すべきなのだろうか。

個人的には、キーワード情報という検索マーケティングを考える上で貴重な情報源が失われてしまうことは残念であるものの、現行の Google の検索システムやそのアルゴリズム、トレンド、マーケティング戦略など諸々の要素を考えると、実務上、実はそれほど困らないというか、むしろ最近の「SEO主導のコンテンツマーケティングの企画立案の弊害」も排除できるので少しだけプラスではないか。

つまり、SEO を念頭においたコンテンツマーケティングを考える上で本質的に大切なことは、キーワードベースで考えるのではなく、その背後にある検索意図、あるいは、そのキーワードを使って来訪してくるユーザーにとっての最終的なゴール、つまり検索タスク(検索を通じてもともと行いたかったこと)を念頭におきつつ、ターゲットのオーディエンスにあわせて内容を企画することである。つまり、このプロセスにおいて実はキーワード単位の重要性は相対的に低下しているので、来訪者のキーワード情報がわからないこと自体は、SEO の施策を進める上でそれほど困るわけではない。

「コンテンツマーケティングの企画立案の弊害」というのは、キーワードの検索数やクリック数ベースで考えてしまうために、「検索されないけれども、提案されたら興味を示すタイプのコンテンツが悪者扱いされてしまう」問題を指す。もっとも、広告側のキーワード情報が参照できる限りこの問題は完全に解決されないわけだが。

効果測定の観点でも、キーワード単位での流入数を見るのは(目的によりケースバイケースなのは承知)それほど意味がないわけで、それが重要だというのは結局のところ「○○のキーワードで1位にする」という旧来の古い古い(そして日本では長く続いてきた)SEOの考えを引きずっているだけではないだろうか。

(詳しいお話は、直近では8月20日開催の「最新SEO動向とコンテンツマーケティングの効果測定」(アナリティクスアソシエーション主催)ほか、8月〜11月に予定している各種セミナーや講演でお話をする予定です。アイレップ主催でないものは原則、どなたでも参加可能です)

「Yahoo!検索」SSL化のお知らせ

http://promo.search.yahoo.co.jp/news/service/SSL.html

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(2015/08/13 13:00)

補足。神様のツイートより。

Google は、世界中のウェブマスターにとっての最善を考えなければいけない立場です。そして、Google は、詳細なキーワード情報を提示することがウェブマスター(マーケティング担当者)にとって良いこととは考えていないのでしょう。つまり、詳細なデータが提示されればされるほど分析する側の負担は増え、本質的ではない部分にばかり目を向け、本来時間をかけるべき仕事がおろそかにされることを危惧しているのでしょう…そんな Google の理屈も現場を見ていると納得できるので、(今回は Yahoo! JAPAN の動きですが)キーワード情報が得られなくなったとしても、それはそれでいいんじゃないでしょうかと私は思うわけです。

神様のようにデータの有用性と同時にその限界や制約を十分に理解しており、同時に SEO のエキスパートとしてお仕事をされている方にとって、いままで利用できた価値ある情報が失われることの影響が大きいことは確かなんですけどね。

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