米ファストフードチェーンのバーガーキング(Burger King)が Google Assistant 搭載デバイスの音声アシスタント機能を活用したテレビCM を放映した。2017年4月12日に放映されたテレビCM は、新しいワッパーバーガーについて15秒では説明しきれないから~という流れで、出演者が "OK Google, what is the Whopper burger?" と話しかける内容。
BURGER KING Connected Whopper
Google Home を使ったテレビCM
Google Home や Google Assistant 対応した Android 端末は、"OK Google" という発声をトリガーに音声アシスタントが起動する仕組みになっている。続けてワッパーバーガーとは?という質問文が投げかけられたため、このテレビCMの音声を拾った端末は Google検索から Wikipedia の一文を回答として読み上げた。
現状、Google Assistant は声紋を識別する機能を持たないため、起動トリガーとなる "Ok Google" さえ端末に届ければ音声アシスタントが有効になってしまう。
音声起動アシスタントという新しいテクノロジーを活用した面白い広告の取り組みと好意的に受け取れないこともないが、一方で利用者の全く意図しない手順で音声アシスタントが活用されることを快く感じない人もいるだろう。
これまでも Apple Siri や Amazon Alexa といった音声認識を搭載したスマートスピーカーが意図せぬ形でテレビ番組やCMの音声に反応してしまう事象はあったが、大企業が意図的に音声認識を起動させる事例はおそらく初だろう。
Google、テレビCM に反応しないように修正
ユーザーが望んでいないのに勝手に検索結果を読み上げさせる行為は、新しい技術を使った”検索エンジンスパム”と呼べるだろう。少なくとも Google はバーガーキングの宣伝手法を認めなかったようだ。このテレビCMが放映された数時間後に、このテレビCM の音声に Google Assistant が反応しないように変更を加えた模様だ。Google 広報担当者は、バーガーキングとこのテレビCMを制作した広告代理店・David について、Google は一切関与していないとコメントしている。
Google Assistant を巡る問題はつい先月も起きたばかりだ。Google Homeは、その日のスケジュールや情報を伝えた後に、ユーザーに役立つコンテンツを提供する "My Day feature" という機能を搭載しているが、3月に"Beauty and The Beast" の広告と受け取られかねない情報が読み上げられることがあった。Google は声明で "Beauty and The Beast" は広告として流すことを意図しておらず、パートナーとの取り組みの一環だと述べ、今後もより適切な形でユーザーにユニークなコンテンツを届けるための取り組みを模索していると説明していた。
報道したニュース番組で「二次被害」も
米国時間13日早朝、米国の主要放送局もこの話題を報じた。いくつかのニュース番組は、件のCMをそのまま音声つきで流してしまったために、ニュース番組中に Google Home や Google Pixel が反応してしまうという事故も起きたようだ。私は自宅で米CNBC のニュース番組を観ていたところ、手元のデバイスが報道中の "OK Google..." に反応してしまった。お昼前のニュースでは音声を消してCM映像のみ流すように修正されていた。
Google Home won't let Burger King have it its way
https://www.cnet.com/news/burger-king-ad-intentionally-sets-off-google-home/
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