米Google は2017年5月18日、米国で開催中の開発者向け会議 Google I/O 2017 において、スマートスピーカー「Google Home」の新機能を発表した。
Google Home は円筒形の小型デバイスで、自宅に設置して利用することが想定されている。人工知能 Google Assistant が内臓されており、Home に向かって音声で話しかけることで、さまざまな情報を入手したり、映像や音楽の再生や照明のオンオフといった操作が行える。昨年末に発売された。
カナダ、オーストラリア、フランス、日本でも発売
Google Home は2017年5月時点で、米国および英国で販売されている。今夏、発売地域を広げ、日本のほかカナダ、オーストラリア、フランスで発売される。
ちなみに現時点の Google Home アプリ(Android版)の詳細設定画面を見ると、選択できる言語は米語(English US)と英語(English UK)となっているが、住所や職場の設定は日本語に対応している。また、発売当初は日本の住所を指定しても大雑把なエリア(たとえば東京都なら、区レベル)しか設定できなかったが、5月18日時点で市町村・番地単位でより細かく指定できるようになっている。
飛行機遅延や渋滞を事前通知(Proactive Assistance)
同社が Proactive Assistance は、ユーザーの行動を予測したうえで、飛行機の遅延や渋滞など、重要な情報を事前に通知する機能だ。現在、Google Now でも同様の通知をスマホに行っているが、それの音声通知版ということだ。
なお、あまりに多くの種類の通知を行うとスピーカーが逐次音声を発することになりわずらわしい可能性もあるため、通知内容は限定される。
ハンズフリーの無料通話(米国とカナダ)(Hands-Free Calling)
Amazon Echo がつい先日対応した無料通話が Google Home でも利用可能になる。Echo は Echo の端末またはアプリ同士の通話に限られるが、Google Home は固定回線やモバイル端末を使って誰宛てでも電話をかけられる。Home を介するのでハンズフリーで相手と話すことができる。利用者は Google Home に通話相手を指定して電話をかけるように指定するだけだ。ただし当初は米国とカナダに限られる。
連携アプリの拡大
Google Home は Spotify や Netflix、Uber をはじめとするアプリと連携して、音声で指示することが可能だったが、その対応アプリやサービスを拡大する。HBO Now や Hulu といった映像配信サービスや、Deezer、SoundCloud などの音楽配信サービスに対応する。Spotify はこれまで有料購読者アカウントのみが連携できたが、本日より無料ユーザーも連携が可能になった(実機端末で確認した)。
スクリーンへの情報表示 (Visual Responses)
利用者からの質問にスクリーンに情報を表示して回答できるようになる。たとえば目的地への行き方や画像に関連する質問をしたときに、画面に回答を表示してくれる。スマホや一部のテレビが対応する予定。
iOS でも Google Assistant が利用可能に
Google Assistant が Apple の iPhone でも利用可能になると発表された。ただし、iPhone のデフォルト音声アシスタントである Siri を置き換えることはできない。おそらく、iOS 用の Googleアプリから利用することになる。AIファースト(人々が自然な方法でコンピューターと対話する世界)を掲げる Google は、あらゆるシーンで手元や周りのコンピューターと会話して情報が取得できる世界を実現するために、Google Assistant をモバイル端末から IoT、家電、自動車などあらゆる場面に展開していく。
ref.
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Google Home と Amazon Echo の両方を米国で購入しましたが、現時点では Amazon Echo のほうが実用性は高いと感じました。個人的には Home よりも Echo を日本で発売してほしいところ。
ちなみに同じ Google Assistant を搭載していても、Google Home と NVIDIA Shield TV (2017) は挙動が少し異なりました(2017年3月時点)。Shield TV は、たとえば「Netflix で○○○○を再生して」(○○は映画や番組タイトル)の指示で再生できるのですが、Google Home はできませんでした。今回の発表に基づくと、Google Home でも Shield TV 同様のことが可能になるのでしょうか。