本日は SEM について取り扱います。テーマは「ロボット型検索対策(SEO)か、それとも広告型検索エンジン(PPC)か」です。 SEO も PPC も同じ検索エンジンからのトラフィック誘導ですが、どのように使い分けを行えばよいのでしょうか。
まずSEMについておさらいをしましょう。SEM とは Search Engine Marketing = 検索エンジンマーケティングです。似たような略語に SEO がありますがこちらは Search Engine Optimization、検索エンジン最適化です。
SEO が特にロボット型検索エンジンへの対策を指すのに対して、SEM は SEO、PPC広告検索エンジン(AdWords やオーバーチュア)、有料登録サービス(Pay for Inclusion:PFI)など検索エンジン関連のトラフィック誘導活動全てを包括する際に用いる言葉です。
さて、そもそも日本で SEO が昨年から注目されるようになったのは「検索エンジンを広告媒体として活用することで非常に質の高い見込み客の獲得ができること、継続して新たなトラフィック誘導を図る事ができる点が評価されたからです。
米国に遅れること数年、日本でも昨年から Overture や Googleアドワーズ広告といったPPC(ペイパークリック型)広告検索エンジンが登場しました。この PPC広告検索エンジンの登場で日本でも検索エンジン対策を行うのであれば SEO に限らなくなりました。つまり検索エンジン経由の集客活動について選択肢が与えられるようになったのです。
今までは検索エンジン対策 = SEO でしたが、今後はまず SEM = 検索エンジンマーケティング実施の観点から、ロボット型検索エンジン対策(以下、SEO) を選択するか、あるいは広告検索エンジン(以下、PPC)を選択するかを考えなければなりません。
では、どのような視点から SEO と PPC を選択するか。
今日は「コスト」の観点から考えてみましょう。SEO と PPC、継続的に SEM 活動を実施するのであればこの SEO と PPC のコストを十分に考慮しなくてはいけません。
PPC はペイパークリック、その名の通りクリックされた時だけ広告料金を支払えば良いです。いいかえると「継続的に集客を行う為には広告料金を支払い続けなければならない」「広告予算が枯渇したら広告は停止」も意味します。つまり毎月アクセス数についてある目標値があるのであれば、それを達成する為に毎月 PPC に対する予算を割り当てなければ行けません。
例えばキーワード「カードローン 」のアドワーズ広告における平均CPC は約230円(2003/03/12現在)。1000クリックで23万円です。このキーワードを利用する広告主は他にも関連キーワードをPPCに登録・広告掲載をするでしょうから毎月多くの予算が必要です。
これに対して SEO は CPC (Cost Per Click クリック課金型)ベースの課金はありません。SEO に対する費用が発生するのはウェブサイトへのSEO組み込み段階、あるいはウェブサイトの設計・構築段階です。それと毎月のメンテナンス。適切なSEOをウェブに組み込んで効果的(多くのアクセスを集められる)キーワードで上位に表示させる事ができれば費用対効果の面では SEO が優れます。
結論。まずターゲットとするキーワードは何なのか。それをPPCで利用した場合毎月どの程度の費用が必要なのか。あまり(PPC的に)人気のないキーワード(CPCが安いキーワード)であれば無理してSEOを導入する必要はないかもしれません。逆にPPCではコストが高すぎるのであればSEOを導入した方がいいかもしれません。