Google AdSense は「Webの内容に即した関連性の高いテキスト広告を表示する」わけですが、その技術的な方法について。
Google AdSense は、Google が持つ検索技術を応用してWebページの内容を特定、そのページとの関連性が高いと判断されるテキスト広告を配信します。Google AdSense で配信される広告はアドワーズ広告です。アドワーズ広告はあらかじめ広告を掲載するためのキーワードを登録していますので、このキーワード(及び広告)と適合するWebページを探していきます。
では、Google はどのようにWebページの内容を判断するのでしょうか。これは人が見て判断するのではなく技術的に何のページであるかを特定します。つまり Google検索アルゴリズムと同じ手法です。単にキーワードマッチだけでなくそのWebページのタイトル、フォントサイズ、キーワード出現回数、及び当該Webの外部リンクを分析して、そのページが何について記述されているかを特定し、適切な広告を表示するのです。
具体例をあげて説明しましょう。クリスマスシーズンですのでクリスマスの話題で。「クリスマスツリーを販売します」という広告があったとしましょう。そしてAdSense を利用する次の2つのWebページがあったと仮定します。
Webページ (A)クリスマスツリーやオーナメントも非常に様々です。ツリーは家庭用の小さなものから業務用の数メートルを超えるものまで。ツリーの木にもフレイザー種、バルサム種、ダグラス種といったものがあります。
(以下、略)
Webページ (B)このサイトはキリバス共和国のクリスマス島の案内サイトです。クリスマス島は珊瑚礁だけで出来た島では地球上最大といわれています。旅行に来た時には是非どうぞ。(以下、略)
Webページ (A) も (B) も同じように「クリスマス」という言葉が使われています。しかし (A) の場合、「クリスマス」の他に「ツリー」「オーナメント」といった言葉も用いられています。従って、Google は単に「クリスマス」というキーワードだけでなくその前後の文脈からいわゆる12月24-25日の「クリスマス」と特定できます。(B) は同様に「キリバス」「島」といった言葉が出てくるため、「クリスマス島」と特定するのです。
従って、Webページ(A)も(B) もAdSense を利用していたとしたら、「クリスマスツリーの販売」のテキスト広告が表示されるのは (A) の方です。(B) には表示されません。また、「クリスマス島パッケージツアー」を販売するテキスト広告があれば、これは (B) には表示されても (A) には表示されません。
もっとも、Google で検索しても「あれ?」という関係ない、関連性の薄い検索結果が出てくることがあるように、AdSense でも全然関連性のない広告が表示されることもあります。Google はおそらく技術的な方法でこの障害を乗り越えようとするでしょうが、(Overtureのように)AdSense は人手に頼るのではないか、というお話もあります。
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