Teoma,Vivisimo,Mooter,WiseNut,AlltheWeb、そしてGrokker 2(グロッカー2) - これらの検索エンジン、検索ツールに共通するのは検索結果をトピック別に分類して表示する機能です。カテゴリ表示は流行になるか?
昨年末に Groxis Inc.からリリースされた、検索ソフトウェアGrokker 2(グロッカー2)が欧米のメディアではたびたび話題になっています。Grokker2の特徴は、検索結果を単に一覧表示するのではなく、キーワードに適合した各々のページをトピック毎に分類、カテゴリ表示する点にあります。
例えば、キーワード「SEO」で Google検索をしたとしましょう。すると、検索結果には「SEOサービスを提供する会社のページ」や「SEOの[情報]を提供するページ」「SEOセミナーに関する案内のページ」「SEOの効果測定(アクセスログ)を提供するサイト」はたまた「SEOの書籍に関するページ」など、様々な種類の "SEO" が該当ページとして表示されます。この時、例えば「SEOセミナー」に関する情報だけがほしいえ検索者にとってはそれ以外の情報は必要ないわけです。この検索者にとっては「SEOセミナーに関するページだけ」が出てきてほしかった訳です。
この問題を Grokker2 は解決してくれます。Grokker2 で「SEO」と検索すると、SEO に関連して存在するトピック毎に分類したカテゴリを画面に表示します。この例で言えば、「SEOの情報」「SEOサービス」「SEOセミナー」「SEO本」といった具合です。検索者はこのGrokker2が分類してくれたカテゴリからほしい情報に関連するものをクリックすることで容易に検索結果を自分が本当に必要とする情報に絞り込むことができるため、より速く目的の情報に到達できるのです。
ここで「だったら最初からキーワードを"SEOセミナー"とすればいい」と考える方もいるかもしれません。それは正しいです、しかし世の中のすべてのユーザーが全ての状況下で適切な検索キーワードを選択できるわけではありません。全てのユーザーが検索エンジンに使い慣れているわけではないのです。Grokker2はそんなユーザーを支援するための検索ソフトウェアです。ただ、検索エンジンが使い慣れている人がGrokker2を使えばさらに効率良く検索ができるでしょう。
さて、前置きが長くなりましたが今回のGrokker2が行っているトピック分類機能、実はこの機能自体が目新しいわけではありません。過去にも現在も多くの検索エンジンが導入している技術です。
例えば AlltheWeb の Topic (beta)、Teoma の Refine、Vivisimo や Mooter のクラスタリング( Vivisimo Clustering Engine)、WiseNut の WiseGuide(ワイズガイド)などなどインターフェースやルック&フィールこそ違いますが全て「検索結果を効率よく絞り込むための支援機能」です。
これらのトピック別分類機能はいずれも各々のページの分析とカテゴリ表示およびその名前付け(カテゴリの名称の作成)は全てリアルタイム処理で行うため、まだまだ改善の余地があり各社様々な改良を施しているところです。ただ、例えばクラスタリングによる検索結果表示を行った結果PPC広告のクリック率が上がった等といった直接利益に影響を与える調査結果も出てきている等、クラスタリングはユーザーにとって検索の利便性を高めることは確かでしょう。米国でのユーザーの反応次第では今後 Google や将来出てくる MSNBot でもお目にかけられるかもしれませんね。
[参考]
Bringing order to chaos [Global Technology]
本コラムで紹介したGrokker2についてわかりやすく解説しています。
Grokker 2 を実際に使ってみました。