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Yahoo!、Site Match の利用対象者は誰か?

米Wall Street Journal 紙の 14日の記事 "Some Web Sites Question Yahoo's 'Paid Inclusion' Plan" に、Yahoo! Search にて提供されているPFI (ペイドインクルージョン) "SIte Match" を使って損をした人の話が出ています。

After two weeks and $1,000 in fees, however, Mr. Bransby abruptly withdrew from the program, known popularly as "paid inclusion." Mr. Bransby says he didn't see any benefit: M.D. Manufacturing Central Vacuums ranked no closer to the top of Yahoo's search results. "I'm wasting money," he says. "I'm getting the same amount of traffic but now I'm paying for it." [WSJ.com / Some Web Sites Question Yahoo's 'Paid Inclusion' Plan]

超簡単に要約すると、$1,000 払ったのに全然成果ないから Yahoo! に不満を持ったわけです。

きっと米国の数多くのユーザー、特に Yahoo! Search における Site Match の位置づけと役割について十分に理解していない方は同じような被害(?)不満を持っていることでしょう。

Yahoo! Search というアルゴリズム検索(オーガニックサーチ)における PFI には以前から議論の的となっています。Google が「有料情報(=PFI)と無料の情報(フリークロール)をごちゃ混ぜにするのは良くない」と以前から PFI に批判的なように、検索結果の公平性を著しく妨げる、消費者の信用を損ねる可能性があるからです。Yahoo! に限らず PFI を提供する企業はみな「PFI を利用したサイトもランキングがブーストされる(優遇される)ことはない」と主張しますが、ウェブマスターから見れば「本当かよ?」と勘ぐってしまうわけです。

PFI の是非の議論はとりあえず横に置くとして、Site Match はどんなユーザーが利用すれば良いのでしょうか。

米HighRankings.com の Jill Whalen が同紙の中で次のようにコメントしていますが

Jill Whalen, who runs a Web-marketing firm, says she has been advising her smaller clients not to participate. "I don't see any reason to do it," she says.

私も同意見で、一般的に Site Match は利用する必要がありません。今回の記事の冒頭にある方は Site Match を利用してしまいましたが本来は利用する必要がなかったわけです。

なぜ(一般的に)Site Match を利用する必要がないのか。Yahoo! Search Technology のインデックス更新周期が非常に早いことが挙げられます。これは先日の SEOルートディレクトリ by ジェフ・ルート の中でもコメントされていますが(記事:Yahoo! Search Technologyのインデックス更新はGoogleより早いのか?)、実際に Yahoo! Search の更新は早いです。

Yahoo! Search のクロールについては次の記事「Yahoo! Search のクロールとインデックス更新について」 も参照して頂きたいのですが、Google 並に更新されます。おそらくコンテンツの更新頻度が早いWebサイトについてはクローラの巡回頻度も上がる(=Google と同じ)ようになっていると思われます。

Site Match を利用した場合は「48時間毎にクローラ(Yahoo! Slurp)が訪れてインデックスが更新される」ことが保証されるのですが、果たして (a) 毎日頻繁にWebページを更新&追加していて (b) その情報が 48時間以内に確実に検索エンジンに反映されないと困る 条件を満たすウェブマスターが果たしてどれだけいるのでしょうか。

少なくとも毎日 - 2〜3日に1回以上はウェブを更新しているウェブマスターでないと Site Match を使う意味がありません。1週間に1回しか更新しないなら48時間毎に来てもらう必然性がないからです。同様に、その更新した情報が検索エンジンに反映しないと困る、反映されないことでかえって不利益が生じるような条件でないと Site Match の必然性がありません。

では逆に、Site Match を使った方がいいウェブマスターとはどんな条件を満たす人なのでしょうか。それは次のような場合です。

  1. 毎日商品&価格情報を更新していて、できるだけトラフィックを確保したい、機会損失を最小限にしたい

  2. サイトが動的URLを利用しているので登録されにくい

  3. 常に検索エンジンに登録されていることが確約されないと心配でしょうがない場合

つまり、大企業のEコマースサイトが主な対象になります。例えば毎日新規に商品情報を追加・変更・削除していて、それを逐次検索エンジンに反映させることでトラフィックを確保したい場合が挙げられます。Site Match を利用することで例えば、既に品切れになっている商品なのに検索エンジンに登録されていると、その商品を求めて(検索エンジン経由で)訪れたユーザーをがっかりさせることがなくなります。

また、動的URL (ダイナミックURL)を利用している場合も Site Match を利用する価値はあります。一応 Yahoo! Search Technology は動的URL でもインデックスしますが全てを登録してくれるわけではないからです。

以上の条件を満たさなくても、検索エンジンからのトラフィックが非常に重要で、検索エンジンからたとえ1日でもインデックスから外されると困ってしまうからそういう心配を一切なくしたい!そんな方も Site Match を利用してもいいかもしれません。

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