SEMリサーチ

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WikipediaでSEO対策?

今回はまず、Wikipediaサイトを利用したSEO対策法をご紹介したいと思います。(中略)上場、非上場などは問われません。自社の概要を掲載した上、自社サイトへのリンクを張ることが可能です。Wikipediaは普通のページであっても4~5のページランクが与えられていますので、非常に優秀なリンク元となるわけです。しかも無料で、確実に掲載することが可能です。[田村昌士、スマートシステム株式会社代表取締役、Lesson 2. ページランクの高いサイトとリンクする方法、「ネットショップ&アフィリエイトのためのSEO対策」]

Wikipediaは外部リンク参照の時に rel="nofollow" がつくので外部リンクとして機能しないので技術的に間違いですね。それはさておき、こうした記事を普通に書いてしまうのは、SEOを単なる検索上位表示テクニックというレベルでしか認識していないからではないでしょうか。

記事入稿時にImpress Watchがチェックすべきという意見もあるでしょう。しかし、前回の第1回の記事の内容も考えると、これはImpress Watchがチェックしなかったのではなくて、「すぐに取り組めるSEOテクニックのほうが読者受けがいい」という編集方針に則って公開したという可能性があります。大抵、SEOの話題を取り扱いたいパブリッシャーは、理論や考え方の記事よりもノウハウ的なものを求めるからです。

日欧米問わず、一定の評価を持つSEOスペシャリストがコラム等の記事で述べる外部リンク対策関連の話は、理論や姿勢、考え方に関するものが多く、ノウハウ的な、その日にすぐ使えるような具体的なリンク獲得方法な話は少ない/ほとんどありません。具体的な方法だけを述べてしまうとそれだけが一人歩きしてしまい、スパム紛いの方法を推奨していると誤認される恐れがあるためです。

例えば、ソーシャルブックマークをSEO(これはSMOに近い領域になりますが)に活用しましょうという話をする時、まともなSEOスペシャリストであれば、「外部リンクが自然に生まれやすい環境を構築する」という観点から、どのように取り組んでいくべきかについて話を展開する人がきっと多いでしょう。しかし、もし「ソーシャルブックマークのトップページに掲載されると多くのトラフィックも集められますしリンクも増えます、だから早速会員登録してブックマークしましょう」なんて書いてしまったら、きっと自分で自身のサイト内のページを片っ端から登録する輩が出てくるに違いありません。

[UPDATE] 引用元の記事がすでに修正されていました。

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