SEMリサーチ

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コンテンツ連動型広告の考え方 前編

ブログやSNSをはじめとするUGC (User Generated Content、消費者・ユーザにより作成されたコンテンツ)の増大に伴って市場が拡大している広告の1つが、Webページのコンテンツや文脈に関連する広告を自動配信する「コンテンツ連動型広告(Contextual Advertising)」だ。検索連動型広告と同じアカウント下で運用することからアドワーズ広告やオーバーチュア・スポンサードサーチの延長としてコンテンツ連動型広告をすでに運用している方もいらっしゃるだろう。

しかし一方で、検索連動型広告には一定の理論の元に出稿すべきキーワードやリンク先ページ、クリエイティブを操作している一方、コンテンツ連動型広告は「単に露出度を増やす」程度で明確な目的・運用ルールを定めずに利用されているケースが少なくない。そこで、コンテンツ連動型広告の運用をはじめる上で必ず抑えておきたい考え方を、2回に渡って説明する。

まず最初に、コンテンツ連動型広告のロジックについて整理しよう。本稿は「Googleアドワーズ広告」のキーワードターゲット広告及びサイトターゲット広告を念頭においた説明をするが、ロジック自体はその他にも適用できるはずである。

私たちは様々な場面において検索を実行し、何らかの意志決定(例えば商品の購入)を下すために必要なあらゆる情報を入手しようとするが、私たちの興味・関心が生まれるのはこうした情報収集中、つまりWebページ閲覧中に生まれることは少なくない。例えばA社から発売された新しいデジカメについて調べているうちに、競合のB社の最新デジカメを購入した人がそのレビューブログにを書いており、それを読んでいるうちにB社のものが欲しくなり比較検討対象になることもある。同様に、漠然と海外旅行の計画をしている時に非常に魅力的な風景の写真を掲載したWebページに出会い、目的地をそこに絞り込むといった行動も起こりえる。

このように私たちは検索を通じて様々なコンテンツに接触しながら新たな興味・関心を持ち、検索ページとWebページを行ったり来たりという行動を繰り返している。この消費者行動モデルにおいて、検索サイト滞在中の興味・関心にターゲティングしているのが検索連動型広告やSEOであるが、Webページ滞在中の興味・関心にターゲティングできるのがコンテンツ連動型広告というわけだ。

コンテンツ連動型広告はキーワードやサイトという単位で、消費者の興味・関心が生まれるWebページ上に、動的に、串刺しで広告を出稿できる。UGCが増大しロングテール上に広がり、そして先述した通り情報入手源がネットに移行しつつある今日のWebにおいては、「消費者の興味・関心」単位で広範囲に広告を掲載できるコンテンツ連動型広告は非常に効率的・効果的なのである。

次回は、コンテンツ連動型広告の運用における具体的なポイントを説明する。

コンテンツ連動型広告の考え方 後編 - 運用する3つのポイント :: SEM R

(執筆:株式会社アイレップ SEM総合研究所 所長 渡辺隆広)

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