MarkeZine Day 2008 「検索エンジンマーケティング最新事情2009」の講演より、いくつかトピックを選んで紹介します。今回はオンラインPR・評判・ブランド管理での検索連動型広告の活用について。
検索連動型広告(アドワーズ広告、スポンサードサーチ)が自然検索での掲載と比較して優れている点は、タイムリーに適切なメッセージを消費者に伝達できる点にあります。たとえば米ペディグリーは昨年、ペット用エサのリコールがあった時、検索連動型広告を通じて(同事件に関連するクエリに対し)「私たちの商品は安全です」というメッセージを伝えていました。もちろん、このメッセージを発したからといって直接売上に貢献することを狙っているわけではなく、ペディグリーというブランドが同問題を認識し、適切に対処していることを消費者に伝えることで、オンラインにおける風評被害を最小限に止めようとしました。
今日の私たちはリアルの世界で見聞きした情報、そこで生まれた興味や関心事について、即座にオンライン検索という行動を起こす傾向があるため、初めて接触する媒体がデジタル、あるいはSERP(検索結果)であることが少なくありません。このため、オフラインのみならずオンラインでのブランドや評判管理にも取組みをしている企業は、各種広告と接触したユーザーを検索サイトで確実に捉えるために自然検索で(自社に関連する)幅広いキーワードで適切にリスティングされるような施策を施す一方で、検索連動型広告も戦略的に活用しようとしています。この分野でよく事例として取り上げられる米HP(ヒューレット・パッカード)は何年も前から社内でこうした取組みを行っていることで知られています。日本ではこうした視点から検索を捉えてみようという発想自体がまだまだ希薄ですが、単なる「広告」としてだけでなく、消費者とのコミュニケーションツールとして捉えることで、企業価値向上や社全体の事業成長のドライバの1つとして活用できる場面はまだまだ多いはずです。
cf.