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検索広告とブランドメトリクスの関係 - Googleがユニリーバの事例を紹介

米Google は2009年4月23日、同社米国本社のConsumer Packaged Goods(CPG、消費財)チームが実施したBrand Value of Search (BVOS) の調査結果を公式ブログで紹介した。検索連動型広告(以下、ペイドサーチ)がブランドの助成想起や購買検討(Purchase Consideration)、購買意向(Purchase Intent)などブランドメトリクスにどのように作用するかについて研究したものだ。ペイドサーチがダイレクトレスポンス以外でも有効活用できる事例を紹介している。

BVOSはGoogleと米家庭用品メーカーUnilever(ユニリーバ)、メディアエージェンシーの Mindshare(マインドシェア)リサーチパートナーのMetrixLabと共同で実施した。15歳以下の子どもを持つ5000人以上の母親を対象にフィールドスタディを実施し、ユニリーバFloraブランドで展開した"Cooking with Schools"キャンペーンにおける、ペイドサーチの効率及び効果について調査を行った。Floraブランドはユニリーバの主力食品ブランドの1つで、健康、コレステロール削減、ロンドンマラソンとブランド連想がある。ユニリーバはこのブランドを家族や子ども、料理、栄養などに結びつけたいと考えており、単にウェブサイトへのトラフィック誘導だけでなく、ターゲット顧客におけるトップオブマインド(※特定ジャンルで消費者または顧客の頭に、ブランド名が最初に浮かぶこと)を求めていた。

この効果を測定するため、Metrix Labは被験者に"research healthy recipes"や"activities to do with your kids"などの検索を行うタスクを求め、テストグループに対しFloraブランドのキャンペーンのスポンサードリンクを表示させた。

このテストの実施により、次の3つの結果が明らかになった。第1にFloraブランドのスポンサードリンクを見たグループは、それを見ていないグループと比較してブランドメトリクスが19%上昇したことが明らかになった。第2に、トップオブマインドの上昇において、ペイドサーチはテレビCMよりも10倍以上効果があり、ラジオCMと比較しても4倍以上の効果があることがわかった。第3に、ペイドサーチと従来のオフラインメディアの相乗効果だ。出版広告とペイドサーチの組み合わせは、出版広告単体よりも9%の効果が認められた。

ユニリーバのリレーションシップマーケティングマネジャー・Amanda Smith氏は、ペイドサーチがブランドに与える影響やほかのメディアやオフラインとの効果が明らかになり、もっとも効果的なキャンペーンが展開できたと述べている。

Paid Search Builds Brands: Unilever Success Story [Google CPG Blog]

http://google-cpg.blogspot.com/2009/04/paid-search-builds-brands-unilever.html

cf.

Google、Eye Squareによるアイトラッキング、検索行動調査 :: SEM R

オンラインPR・ブランド管理に検索連動型広告を活用する (Markezine Day 2008 より)

検索エンジン上位表示が与えるブランドへの影響 :: SEM R

「H&Mを知っている人」の40.5%が検索経験あり - アリババ調査 :: SEM R

『ブランドキーワードの出稿はGoogleが効率的』 - HPshopping.com :: SEM R

「米成人の58%はオンラインで商品調査を行う」 - 米Performics調査

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