米Yahoo! Inc. は2008年7月10日、新たなオープン化戦略(Yahoo Open Strategy)として、「Yahoo! Search BOSS(Build Your Own Search Service)」の提供を開始した。Yahoo! Search BOSSは同社のYST (Yahoo! Search Technology)をサードパーティーに開放することで、Yahoo!の検索インフラをベースに自由に独自の検索サービス開発を可能にするもの。
Yahoo!によると、現在、アルゴリズムを用いた検索サービスを構築しようとすると、初期費用で数千億円程度のコストが発生するため、革新的なアイデアを持った開発者や企業でも、実際の開発に躊躇してしまうことがあるという。しかし、Yahoo! Search BOSSを用いることで、検索技術のインフラとなるクローリングやランキングシステムをYSTのもので代替することで、低コストで検索サービスの立ち上げが実現するという。すでに、ソーシャル検索を提供する米hakiaやMe.dium、CluuzがBOSSをベースとしたサービスを提供済み。
Yahoo! Search BOSSでは、は検索結果のランクをコントロールしたり、検索結果表示UIを自由にカスタマイズできるほか、従来提供されていたYahoo! Search APIと異なり、1日あたりのクエリ総量制限も存在しない。
米Yahoo! SearchチーフストラテジストのPrabhakar Raghavan氏は、3強(Google、Yahoo!、Microsoft)によってのみ生まれている検索市場での成長やイノベーションが、Yahoo! Search BOSSの登場よって変化し、新しいウェブ検索の体験が創造され、ユーザーの選択肢も広がると説明。BOSSは公開当初は無料でAPIとして提供されるが、今後、Yahoo!検索広告の表示義務付けによって収益化を図ると説明している。
Yahoo! Opens Up Search Technology Infrastructure for Innovative, New Search Experiences, Providing Third Parties with Unprecedented Access, Re-Ranking and Presentation Control of Web Search Results
http://yhoo.client.shareholder.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=320623
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Yahoo!とMicrosoftのパイが奪われるだけで、Google支配の構図は変わらない気がするのですが。