米Googleは2009年5月1日、先週公開したGoogleコンテンツネットワークのパフォーマンスに関する調査結果についてInside AdWordsのEmel Mutlu氏がフォローアップを行った。
Googleが先週リリースしたレポート"CPA Perfomance Trends on the Google Content Network"は、世界の80%のインターネットユーザにリーチし、1日あたり6億インプレッションを持つGoogleコンテンツネットワークの広告パフォーマンスを分析した白書。「コンテンツネットワーク広告はどの程度コンバートするのか?」「どのくらい費用対効果が高いのか?」という広告主からよく寄せられる疑問に答えるため、25000以上のアカウントの2008年11月から過去12ヶ月間のコンバージョンを追跡し、主にCPA(Cost Per Action、獲得単価)指標で分析を行った。
同調査の結果、検索ネットワークとコンテンツネットワークの両方を利用する広告主の場合、コンテンツネットワークは検索同様の費用対効果だったことがわかった。また、目標とするCPAでのコンバージョン数には限界があるものの、総じてコンテンツネットワークは全体の収益に影響があるほど十分なコンバージョンを獲得できることも明らかになったという。
さらに、コンテンツネットワークと検索ネットワークのCPA比率は97.4%、つまりコンテンツのCPAは検索の平均CPAより2.6%低く、今回の調査対象の広告主の51.6%が平均して検索と同等、あるいは検索よりも良いCPAでコンテンツネットワーク広告を運用できていた。
Google AdWords公式ブログではこの点について広告主から質問があったため補足説明を行った。今回の研究でコンテンツネットワークのCPAが検索と同等かそれよりもパフォーマンスが高かった理由は、スマートプライシング(Smart Pricing)によるものだという。スマートプライシングとは、コンテンツネットワーク上のデータを分析し、特定のページでのクリックがビジネスの成果につながる可能性が低いと判断された時に自動的にクリック単価を引き下げる機能だ。この機能によりコンテンツネットワークにおいてGoogleが広告主に請求する料金(クリック単価)を引き下げているため、コンテンツネットワークのコンバージョン率(CVR、%)が検索と比較して27.9%も低いにもかかわらず、CPAはほぼ同等になったとのことだ。すなわち、この結果はGoogleのスマートプライシング機能が適切に働いていることも示唆している。
これらを踏まえて、GoogleのEmel Mutlu氏は広告主が行うべきこととして、(1) 検索キャンペーンをコンテンツネットワークのキャンペーンで補うことを検討すること、(2) コンバージョンオプティマイザーやプレースメントパフォーマンスレポート、サイト/カテゴリ除外ツールなどコンテンツ広告を最適化するツールを利用してパフォーマンスを調整すること、の2点を挙げている。
出典:CPA Perfomance Trends on the Google Content Network, published by Google in 2009.
出典:CPA Perfomance Trends on the Google Content Network, published by Google in 2009.
たとえばデジタル カメラの広告を掲載する場合、広告は「デジタル カメラ」というキーワードの Google 検索結果ページと、デジタルカメラに関する Google ネットワークのページの 2 箇所に掲載されます。Google ネットワークのページにおける広告の掲載結果が Google 検索結果ページより低くなる可能性があると判断されると、そのサイトでは AdWords システムにより上限クリック単価が引き下げられます。 [Smart Pricing とは何ですか?, アドワーズ 広告 ヘルプ]
CPA Perfomance Trends on the Google Content Network [PDF]
http://adwords.blogspot.com/2009/05/follow-up-on-content-network.html
Follow-up on the Content Network performance trends white paper [Google Inside AdWords]
http://adwords.blogspot.com/2009/05/follow-up-on-content-network.html